巡り会う妖と人の子１０ (ページ35)

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第４５０話～大逆襲！日本妖怪～ページ35

少々苛立ちの混じった声色の五官王とは反対に、目玉おやじは声を張り上げる

青いクラゲヘアーで青い着物を着ている豊玉姫命はこちらを見下ろした

子泣き「親父殿、豊玉姫命とは何者じゃ？」

うむ、と１つ頷いて目玉おやじは話し出した

目玉「豊玉姫命様は大綿津見神(オオワタツミノカミ)様…言わば海の神の娘なんじゃ

聖母神であると同時に富と権力、子孫繁栄という性格を備えていることから、福を招いて出世を約束する女神とも考えられている方なのじゃよ」

豊玉「あら～！私の事知ってる人がいるなんて嬉しいわぁ～！」

手を鳴らして微笑む豊玉姫命

豊玉「嬉しいからちょっと本気出しちゃおうかしら～

あ、りゅーちゃんはそこのベルモットだかモルモットだか分かんないけど包帯の奴やっつけておいてねぇ」

豊玉姫命は水竜にそう言いつけると、Aの前まで飛んでいく

そして水球に包まれているAに向いて両手を合わせた

豊玉姫命「結び結ばれ総べての縁

我の名の下縁結ぶ

神の名の下命(たま)を持ちし者たちよ

八百万の縁(えにし)に結ばれん」

何事かを言い終えてから両手を開く

すると手の平の上には一本の黄金色の糸があった

豊玉姫命がフッと糸に向かって息を吹くと、糸は流れるようにAのもとまで行く

黄金色の糸は暫くAの周りをクルクルと旋回していたが、やがてAの周りで円を結んでその体内に吸い込まれていった

虚空蔵「…結んだか？」

豊玉「結んだわよぉ～」

水球をゆっくり地面に下ろしてから、Aを包んでいた水球を弾けさせる

そして豊玉姫命は蒼坊主に振り返ると、グッドサインを出した

蒼坊主は１つ頷くと六角棒を構えて、再び立ち上がったバルモンドに向き直る

蒼坊主「さぁて、日本の妖怪諸君！

おっぱじめっかぁ！！」

蒼坊主に合わせて皆がバルモンドに向かった

バルモンド「何ィ…？調子に乗るなぁ！！」

怒りを含んだ怒声を響かせながら両腕を上げる

すると地中から大量のミイラが現れた

蒼坊主達や水竜はそれに素早く応戦していく

ぬりかべ「ぬりかべパーンチ！！」

集るミイラ達に拳を大きく振るい

一反「包帯なんかには負けんばい！」

ミイラを強く締め上げ

砂かけ「砂かけぇッ！！」

勢いよく砂を放ってミイラを吹き飛ばす