巡り会う妖と人の子１０ (ページ31)

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第４４６話～大逆襲！日本妖怪～ページ31

目玉「おぉ、虚空蔵！五官王殿！」

五官王はミウの方をジッと見つめる

ミウもまた、眉を下げて五官王の目を見つめた

五官王「許せ、ミウ」

目を細めて、そう呟く

バルモンド「…？」

そしてミウと五官王、そして虚空蔵はお互い心を通わせた

『はい…五官王様と虚空蔵様のお姿が見えた時から、覚悟はしておりました

西洋妖怪に鍵を奪われる前に、私を消しに来られたのですね』

『本当に、ええんか？』

『…後悔はありません

鬼太郎さんの命を救うことが出来た今、私の命など…！』

『鬼太郎…！？

何故だミウ！何故あの男にそれまで…！』

『それは鬼太郎さんがいつもそうしているからです！

皆の為に…命を賭けてくれるからです！！』

『…！！』

『私には力がない…でも、せめて心だけでも鬼太郎さんのようでありたい！』

覚悟を決めたように表情(カオ)を引き締めた

ミウ「ですから…！」

ドン、とバルモンドを突き飛ばす

不意をつかれたバルモンドは一瞬のスキが出来た

ミウ「五官王様！虚空蔵様！私の命を…！！」

五官王と虚空蔵は素早く顔を見合わせて頷く

そして五官王が大剣を構えて飛び上がった

それだけで次に起こることを察するバルモンド

バルモンド「ッやめろ！！」

…しかし、その切先はミウではなく

バルモンド「…うっ…」

＿＿バルモンドに

虚空蔵「(や～っと理解しよったな)」

五官王の後ろ姿を見て、虚空蔵は呆れたようにフッと笑った

五官王「閻魔大王様は仰った

鬼太郎の生きている限り、鬼太郎の為に戦えと！！」

ミウ「五官王様…！？」

五官王はバルモンドを後ろに倒してから剣を抜く

そして虚空蔵が飛び上がり、ミウを小脇に抱えて五官王と共に降りていった

虚空蔵「照れ隠しか？自分、意外に面白いやっちゃな」

ニヤニヤとおどけるように囁く虚空蔵に拳骨を落とす五官王

五官王「こんな時にふざけているんじゃない！！」

虚空蔵「へいへい…」

少しくらいええやろ…と拳骨を落とされた部分をさすりながら着地する

そこへ丁度ねずみ男達がやってきた

砂かけ「五官王殿！虚空蔵！」

バタバタと走ってくると、五官王と虚空蔵を見上げる

子泣き「親父殿は何処じゃ！？」

五官王は横たわる西洋妖怪達の方を無言で示す

「おぉ～い！」

ザンビアの帽子と共に包帯に縛られたままの目玉おやじが片手をあげて叫ぶ

目玉「ここじゃあ！」

全員「「親父殿！！」」
「「親父さん！」」