巡り会う妖と人の子１０ (ページ29)

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第４４４話～大逆襲！日本妖怪～ページ29

ねずみ男「…って、親父一人かよ！」

緊急事態にも関わらず的確なツッコミを入れる

だが目玉おやじは負けじと胸を張った

目玉「見くびるでない！

目玉だけに成り果てたこのワシとて、幽霊族の誇りを持っておる！

最後の最後まで、西洋妖怪なんぞに屈せぬぞ！」

声高らかにそう宣言する目玉おやじ

そんな目玉おやじにどう反応していいか分からず、困惑の表情を浮かべる西洋妖怪達

目玉「御先祖様！ワシに力をーッ！」

今一度大きく飛び上がると、木の枝で西洋妖怪達の額をぺちぺちと順番に叩いていく

おまけに身体が小さいからなのか、西洋妖怪は目玉おやじを捕まえることもできない状態で地味に叩かれ続けていた

ねずみ男「へ～、親父もやるじゃねぇの

よしっ！今のうちに…ダイヤダイヤ～！」

そして好機(チャンス)とばかりにねずみ男は洞窟の奥に逃げ…いや、宝探しに向かおうとする

だが次の瞬間、その場にいた全員は洞窟の奥から飛んできた包帯に捕えられた

目玉おやじもザンビアの帽子と一緒に巻き付けられる

そして包帯は全員を捕らえると、洞窟の奥に引き込んでいった

引き込まれた奥はそれなりに広い空間で、中央には水が溢れ出ている岩が何層もピラミッド状に重なっている不思議な地形がある

そして、その頂上にバルモンドが包帯を伸ばして立っていた

引き込まれた西洋妖怪達は驚いたように声を揃える

三人「「「バ、バルモンド！？」」」

バルモンド「ちょっと派手にやられた、お前達の妖力を貰うぜ！！」

土手っ腹に風穴を開けたバルモンドはニヤリと笑うと、包帯から三人の妖力を吸い上げた

バルモンド「っ冗談じゃない！！」

妖力を吸われながらザンビアが叫ぶ

ザンビア「私はバックベアード様のお気に入りなのよ！！そんな事をすると後悔するんだから！！」

目玉「バック、ベアードじゃと…！？」

ザンビアの帽子に縛られ、一緒に妖力を吸い取られていた目玉おやじが蚊の鳴くような声で呟いた

目玉「西洋妖怪最大の実力者…やはり奴が今回の黒幕だったのか…！」

だが焦る様子もなく、バルモンドは余裕の笑みを浮かべる

バルモンド「ベアード…？笑わせるなよ！

あんな歴史の浅い妖怪に何故この俺様が従わねばならんのだ！！」

より一層妖力を吸い取るバルモンド

三人はそれに悲鳴を上げた

バルモンド「ハッハッハッハ！！力が甦ってくる…！！」

だがバルモンドは気付く、４本目の包帯から薄汚れた妖力が流れてきていることに