巡り会う妖と人の子１０ (ページ21)

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第４３６話～大逆襲！日本妖怪～ページ21

さわさわと、横丁に咲く髑髏彼岸達は風に揺れる

小豆洗いの店の前の縁台に腰掛けながらぼんやりと俯いていた猫娘は、髑髏彼岸が揺れる音で我に返った

そして今度は手元にあるピンク色の霊界符に視線を落とす

鬼界ヶ島へ旅立っていった鬼太郎達を思ったのか、霊界符を弱々しく握りしめて夜空を見上げた

猫娘「鬼太郎…」

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森の中を流れる大きな川の上に多くのカラス達が飛んでいる

そのカラス達に運ばれながら、蒼坊主は申し訳なさそうに頭を掻いた

蒼坊主「いやぁ、面目ねぇ…」

呼子「ホントだよ！今日みたいな非常事態くらいしっかりしてよね！」

呆れたように説教を垂れる呼子

そんなやり取りをしながら、二人はカラス達を急かしつつ進んでいった

すると突然、辺りに獣のような唸り声が響き渡る

蒼坊主「…？」

その唸り声を聞いた途端、それまで問題なく飛んでいたカラス達が右往左往と慌て始めた

呼子「わぁぁ！？」

蒼坊主「お、おい！いったいどうしたってんだよ！？」

慌てていたカラス達は少しずつ降下していき、やがて蒼坊主達を川辺に下ろす

蒼坊主達が地に足をつけると再び唸り声が響く

しかも、先程よりもその唸り声は近くなっていた

蒼坊主「なんだ…？」

そう呟かれた瞬間、蒼坊主達の目の前の川から巨大な水柱が立つ

そしてその水柱から、鋭い瞳と口先に青く細長い身体

＿水竜が現れた

呼子「お、お、おじさぁん！？なにあれぇ！？」

蒼坊主「多分だが水竜だ！！呼子、下がれ！」

六角棒を手に呼子を庇う

…しかし、いつまで経っても水竜が襲ってくる気配は無かった

蒼坊主「…？」

???「こんばんわぁ」

すると水竜の頭の上から声が降ってくる

二人が見上げると、一人の女性が竜の頭上からこちらを見下ろしていた

蒼坊主「あ、あんたは…？」

???「今はそんな事どうでもいいんじゃなぁい？

ねぇ、貴方達も鬼界ヶ島へ向かうんでしょ？」

蒼坊主立場の半信半疑といった様子で頷く

???「カラス達じゃ日が暮れちゃうわよぉ？

あ、日は暮れてるわね。真夜中だわぁ」

クスクスと自分で言って自分で笑い出す不思議な女性に首を傾げた二人

???「…とにかく、早く着きたいんでしょ？

乗せてってあげるわぁ」

ぽふぽふと水竜を叩いてみせる

蒼坊主「…あんたが西洋妖怪(敵)じゃないっつ～証拠はあんのか？」