巡り会う妖と人の子１０ (ページ3)

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第４１９話～上陸！脅威の西洋妖怪～ページ3

バルモンド「牢の中に弟がいたよなぁ？確か

逃げたのか？」

ミウ「っ…」

皆を背に庇ったままバルモンドを睨みつけるミウ

そんなミウの前に立つと、バルモンドは言葉を続けた

バルモンド「そうだった…忘れてたぜ

お前ら二人は俺達と同じ…妖怪だったっけ！？」

バルモンドはニヤリと笑いながら深くかぶったフードの中から黄金色の瞳を覗かせる

ミウは牢から逃げ出した弟に藁にも縋る思いで祈った

ミウ「(カイ…！)」

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まるで魚のように薄暗い海の中を泳ぐ青年がいた

その青年はミウにとても似ており…

青年「(姉さん…

ね、姉さ……)」

身体中に傷を負っていた青年は、泳ぎながらもやがて気を失ってしまった

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次に青年が目を覚ました時、彼は海の中ではなく陸に横たわっていた

「お？目ェ覚ましやがったな？」

そんな声に釣られて青年はゆっくりと上半身を起こす

彼の横には火が焚かれており、火を跨いでねずみ男が座っていた

青年「…僕を、助けてくれたんですか…？」

恐る恐る聞いた青年にねずみ男は声を荒らげて怒り出す

ねずみ男「バッキャロー！！こちとら苦労して作った新居を前に、一祝いしようと思って釣り糸垂らしてただけよ！

釣りてぇのはオメェじゃないの、魚なの！！」

よく見ると青年が寝かされていた場所は川が流れている土手で、ねずみ男の後ろには廃材で出来た家(？)が建っていた

青年「すいません…」

咄嗟に謝っているが、青年は全く悪くない

そんな青年を見たねずみ男は溜息をつきながら立ち上がり、青年に近寄る

ねずみ男「ま、いいや。水死体じゃなくてよかったぜ

ささ、俺は忙しいんだ。とっとと帰んな」

そう言いながら青年に近付いたが、ねずみ男は青年の首に魚のエラのような切れ目があることに気が付いた

ねずみ男「あぁっ！？テ、テメェ…！？」

するとねずみ男の言葉を誰かが遮る

「やだねぇ！何だい、このボロ屋は！」

ねずみ男と青年は新居(笑)の方から聞こえた声に振り返った

新居の前には箒を持った魔女帽子とローブを纏っているお婆さんが立っている

ねずみ男「なんだ？このババアは」

ハテナを浮かべるねずみ男に対し、青年は顔を青くして飛び起きた

青年「っ逃げて下さい！！そいつは…！！」

お婆さんがねずみ男達の方を振り向く

その顔はとんがった顎と鼻に鋭い歯と眼

遥か昔から恐れられる、魔女だった