巡り会う妖と人の子１０ (ページ18)

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第４３４話～上陸！脅威の西洋妖怪～ページ18

それを終えると、バルモンドは満足したようにAを鬼太郎の方に放り投げた

鬼太郎「Aちゃん…！！しっかりして！！Aちゃん！！」

爆発によって傷だらけになった体を引きずってAの寄る

その様子をバルモンドは劇でも観るかのような表情で見ていた

すると、瞼を閉じてしまっていたAの髪がサワサワと動き出す

鬼太郎「Aちゃん…！」

安心した鬼太郎は思わず頬を緩めて涙を滲ませた

Aは薄らと目を開けて、鬼太郎に向かって髪を伸ばす

そして＿＿＿

＿＿鈍い打撃音が辺りに響き渡った

Aの髪は鬼太郎の頬を撫でることなく、むしろ殴り飛ばしたのだ

その音に西洋、日本…双方の妖怪達が振り向く

当のAはのっそりと、獣のように起き上がった

その体からは絶え間なく莫大な妖力が溢れ続けている

柔らかかった髪の毛は、今やざわざわと波立って敵意…否、殺意を顕にしていた

可愛らしく弧を描いていた眼は、赤く鋭く光り

優しく微笑んでいた口は、人形のように無表情で直線を引いている

その場の全ての者がAの変貌ぶりに目を見張った

たった一瞬で…悪魔のような姿に変わり果てたのだから

その中で唯一、高笑いをしているバルモンド

バルモンド「やはりな！！噂は本当だった！！

これで全てが俺のモノになる！！

"最凶の破壊兵器"と、"地獄の鍵"がな！！」

突然の攻撃に満身創痍になってしまった鬼太郎は仰向けに倒れながら呟いた

鬼太郎「最凶の破壊、兵器…？地獄の鍵……？」

そして、五官王は眉間のシワを深くさせながら虚空蔵を見上げる

五官王「(どうするつもりだ、虚空蔵！！)」

その虚空蔵も、Aを見ながら冷や汗を流して顔を青ざめさせていた

虚空蔵「……嘘やろ」

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星達が煌めく真夜中、人知れず存在する山奥の湖

その湖に足首を入れてバタ足をしながら水面を揺らしている、一人の女性がいた

その女性の頭上に伝書コウモリが飛んでくると、手紙を一通落として飛び去っていく

女性は足を止めて手紙を受け止めた

???「…あら、虚空蔵からじゃないの」

手紙の宛先を見てからそう呟くと、封を開いて中身に目を通す

???「ふぅ～ん……」

女性は一通り手紙を見ると、手紙を後方に投げ捨てた

そしてグッと背伸びをしながら立ち上がると、腰に手を当てて囁く

???「親友の為に、一肌脱いじゃおうかな」

そう独り言を呟くと、池に飛び込んだ