巡り会う妖と人の子１０ (ページ12)

今日:21 hit、昨日:4 hit、合計:88,035 hit

第４２８話～上陸！脅威の西洋妖怪～ページ12

そして皆の声援を背に、筏は進み始めた

すると筏を追いかけるように猫娘が川岸を走ってくる

鬼太郎「…猫娘？」

猫娘の存在に鬼太郎達が気付くと、猫娘は手に持っている袋を大きく掲げて叫んだ

猫娘「鬼太郎～！皆～！

これをっ…！！」

そう言いながら投げられた袋を鬼太郎が受け止める

やがて川は海に出て、猫娘も追いかけることが出来なくなった

そしてつるべ火が帆の前から離れると、いよいよ鬼界ヶ島に向かって進んでいく

猫娘「…無事に、帰ってきて…」

────────

鬼太郎が袋を開くと、その中には人数分の霊界符が入っていた

五官王「なんだこれは？」

鬼太郎「霊界符、幽霊族の旅の御守りです」

それぞれ色の違う霊界符を見て、一反木綿が感嘆の息を漏らした

一反「や～、猫娘の気持ちの籠ってるばい！」

鬼太郎は喧嘩してしまっても尚、鬼太郎達の事を想っている猫娘に心で感謝を述べる

鬼太郎「(ありがとう、猫娘…)」

鬼太郎は全員にそれぞれの色の霊界符を渡した

虚空蔵も葡萄色(えびいろ)の霊界符を受け取る

そして五官王にも緑茶色の霊界符が用意されていた

渋る五官王の小脇を虚空蔵がつつくと、五官王は渋々ながら自身のサイズに合ってない霊界符を摘んで懐に入れた

するとぬりかべが筏の後方部分に目をやる

そこには竹筒が立っていた

海中では筏の裏に竹筒をくわえたねずみ男がしがみついている

────────
─────

砂かけ「…ん？あれを見い！」

やがて目的の鬼界ヶ島が見えてきた

鬼太郎「鬼界ヶ島だ」

子泣き「いつ見ても不気味よのぉ…」

そして鬼太郎達の筏がある程度島に近付くと、１匹のコウモリが鬼界ヶ島の上空に飛び立つ

そのコウモリはスポットライトのように光を発し、島にある山の中部の崖を照らし出した

鬼太郎「…アイツは？」

その光の中に、一人の男が立っている

「やぁ、ようこそ！

ダサいダサい日本妖怪の皆さん！この鬼界ヶ島を巡る戦いも何度目になるんですかねぇ？」

口元をマントで隠している男…ドラキュラ三世だ

三世「兎に角、今年で最後ですよ

今回の西洋妖怪はベストチーム！日本側の奇跡の勝利はもう絶対にありません…」

砂かけ「なんじゃと！？」

余裕そうな声色に思わず砂かけが言い返す