巡り会う妖と人の子１０ (ページ11)

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第４２７話～上陸！脅威の西洋妖怪～ページ11

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やがて、出発の時が訪れる

横丁の皆が見送りに集まる為、海へ繋がる川へやってきた

そして鬼太郎達は丸太で出来た筏(いかだ)に、"妖"と描かれた帆を張る

ぬり女房「アンタ、必ず生きて帰っておいでよ！」

ぬりかべは女房と子供達に声援を送られながら頷いた

ぬりかべ「あぁ、約束する。約束、必ず守る」

目玉おやじは全員が乗った事を確認すると、今一度メンバーを確認する

目玉「揃ったな！

鬼太郎、子泣きじじい、砂かけばばあ、一反木綿にぬりかべ、そして五官王殿に虚空蔵！

日本妖怪の精鋭チームじゃ！更にもう一人、援軍を用意しとるぞ！」

鬼太郎「え？」

思わず鬼太郎が声を上げた

目玉「他でもない、蒼じゃよ！」

五官王と虚空蔵以外は顔を合わせる

鬼太郎「蒼兄さん！？」

砂かけ「親父殿、蒼坊にはどうやって…」

砂かけがそう聞くと、目玉おやじは自信満々に答えた

目玉「そりゃ手紙じゃ、鬼界ヶ島で決戦があると……

ありゃ？」

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一方その頃、当の蒼坊主は薄暗い森の中をさ迷っている

蒼坊主「お、お？

…また迷子になっちまったか…よ、呼子ぉ～！！！」

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目玉おやじは頭を抱えた

目玉「し、しもうた、無理じゃあ…」

鬼太郎も困ったような、むしろ諦めたような表情を浮かべながら腕を組む

鬼太郎「ですよねぇ…蒼兄さんと現地集合なんて、まず不可能ですよ」

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呼子「…で、結局こういう事になるんだな」

カラス達に運ばれながら呼子は呟いた

呼子「ヤッホ～！ヤッホ～ッ！！」

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虚空蔵は顎に手をやりながら何事かを考えていた

そんな様子の虚空蔵に、五官王だけが気付く

五官王「…どうした、虚空蔵」

虚空蔵にだけ聞こえるように五官王が声を潜めて話し掛けた

虚空蔵「…ウチも一応助っ人を呼んだんやけどな

寝てなきゃ多分来ると思うで」

その助っ人に覚えがあるのか、五官王は眉を顰める

五官王「…アイツか」

虚空蔵「嫌なんか？」

五官王「お前より話が通じないからな」

あぁ…と溜息を零しながら虚空蔵も苦笑いした

虚空蔵「たまにウチも話通じんよ…ま、実力は確かやから目ェ瞑ってな」

五官王は返事をせず、苛立ちを隠すようにそれっきりそっぽを向いた

そして二人の会話が終わるのと同時に、最初に筏を進めるため帆の前につるべ火がやってくる

鬼太郎「じゃあ皆、行ってくる！」