巡り会う妖と人の子１２

第５１３話〜レスキュー目玉おやじ〜 ページ9

ねずみ｢燃えてきたぁ〜っ！！｣

歓喜の声を上げるねずみ男

だがその背後で子ぬりかべ達に見られているとは知る由もなかった

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一方、火事が治まったアパート前

目玉おやじ達はキジムナー達に囲まれながら互いの健闘を讃えあっていた

目玉｢やぁ、お手柄だな！皆！｣

アマビエ｢ダディの最後のダイビングもカッコよかったよねぇ！

第12話のクライマックスを彷彿とさせたよ！｣

アマビエの言葉に目玉おやじも嬉しそうに食らいつく

目玉｢ハイテクビルの回か？あれはよかった！ダディ役のロバート・ライズダーの演技が最高じゃった！｣

カワウソ｢あの回は次男のアレンもかっこいいよなぁ！｣

いつの間にか感想会のような雰囲気になっているが、ドラマを観ていないAはすっかり困り果ててい

勿論それを遠巻きに見る鬼太郎も

話についていけない…

そんな二人の思考がシンクロした瞬間、キジムナー達が何やら楽しそうに飛び跳ねて目玉おやじに話し始める

目玉｢おぉ、キジムナー達も仲間になりたいそうじゃ！

早速事件の調査に加わってもらおう！アマビエ(キャサリン)とカワウソ(アレン)は火の用心の見回りじゃ｣

最早名前すらも役になりきっているが、一応仕事はこなすようだ

目玉｢鬼太郎、お前もAちゃんと一緒に手伝え！｣

呆れ返ってぼんやりとしていた鬼太郎は突然名前を呼ばれて体が跳ねる

鬼太郎｢あっ、は、はい！父さん！｣

目玉｢鬼太郎！"イエス！ダディ！"じゃ！｣

野次馬含め、周りの視線が一気に鬼太郎へ集まった

"ここまでくれば鬼太郎も呼ぶだろう"

という一種の期待も込められて

鬼太郎は気恥しさに顔を赤らめて冷や汗をかき始める

すると親と子の謎の見つめ合い、そこから更にまた謎の無言が続く

二人がどんな心境かは知る由もないが、とりあえず『ダディ』と言うか言わないかで接戦が行われている事だけははっきりと理解できた

そして目玉おやじは今一度拳をグッドの形にして構えてから叫ぶ

目玉｢では頼むぞ！諸君、ミッション・ゴー！！｣

｢｢｢イエス！ダディ！｣｣｣

A｢…イエス、ダディ｣

少々苦笑いを浮かべつつAもそっと口にした

アマビエ｢…あれ？鬼太郎は？｣

すると辺りを見渡していたアマビエがふと声を上げる

しん、と周りも静まり返って各々見渡してみるが鬼太郎の姿はかけらもない

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