巡り会う妖と人の子１２

第５４４話〜親になったねずみ男と羽叶〜 ページ41

ねずみ｢俺はいつでも待ってるからなぁぁぁぁ！！！｣

いつものズル賢く金に目がないねずみ男が泣き叫ぶ姿に皆目を丸くした

目玉｢アイツの意外な一面じゃな｣

鬼太郎｢はい…でもきっと、それがあるからアイツはずっと僕達の仲間でいられるんですよ…｣

真っ赤な夕陽に吸い込まるよう去っていく見越し入道親子に、ねずみ男はいつまでも手を振り続けていた

✱

A｢＿＿はい！では、また明日…｣

家の前まで送り届けてもらったAは鬼太郎に手を振る

鬼太郎｢うん、また明日｣

そう言うと黄昏時の住宅街に消えていった鬼太郎

鬼太郎の姿が消えた事を確認して家の中に入ろうとする

だが途端に頭痛が襲ってその場にうずくまった

A｢うﾞ…｣

脳みそを突き刺すような痛みに目の前が暗くなる

不協和音も耳の中で鳴り響いてきた

＿＿痛い、痛い、痛い

砂嵐に包まれたかのように視界が荒くなる

するとその砂嵐の中に何かを抱いた人影が現れた

つい先程見たことがあるようなそれは＿＿

A｢み、こし……｣

しかし次の瞬間には頭痛も耳鳴りも消え去り、辺りには鳥のさえずりやどこからか聞こえる子供の声だけが響く

A｢…？｣

突然始まり突然終わった出来事に首をかしげていたが、既に痛みは消えていたので疑問を胸にしつつも家の中に入っていった

＿＿気づかないまま(・・・・・・・)

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