巡り会う妖と人の子１２

第５０９話〜レスキュー目玉おやじ〜 ページ5

目玉｢横丁の平和は我ら"ファミリー・レスキュー"が守るんじゃ！

ミッション・ゴー！！｣

｢｢｢イエス！ダディ！｣｣｣

鬼太郎が悶々と唸る前で、元気よく返された返事が横丁に木霊していったのだった

────────
─────

所変わって夜行研究所

夜行さんの住処であり研究所であるこの場所に置かれているアナログテレビで、目玉おやじ達はとある番組を観ていた

『FAMILY RESCUE(ファミリー レスキュー)４４』

『それは４４の最新装備を使い、街を危機から救う

七人の家族の絆の物語である！』

どうやら西洋のアクションドラマらしい

ドラマの中では『ミッション・ゴー』やら『イエス！ダディ！』など目玉おやじ達がついさっきまで叫んでいた言葉が使われている

目玉おやじ達はこのドラマに感化されたようだ

物語は進んでいき、息子達は残された人々を助け出して火事現場から脱出している

しかし肝心の父が脱出してこないという展開になっていた

手に汗を握る場面に目玉おやじも自然と拳を作る

すると黒煙の中から父が飛び出してきた

目玉｢ダディじゃ！！｣

父が飛び出してくると共にカワウソ達からも声援や拍手が上がった

『ミッション・コンプリート！』

目玉｢ミッション・コンプリート！｣

｢｢｢イエス！ダディ！｣｣｣

最高潮にまで達した辺りの雰囲気は目玉おやじ達にお決まりの台詞を叫ばせる

────────
─────

A｢それで目玉さんもハマったんですね…｣

事の顛末を夜行から聞きながら家へ向かう鬼太郎とAと夜行の三人

鬼太郎｢勘弁してよ、夜行さん…！

父さんはラジオで漫才聴いたって夢中になってしまうんだ…｣

困るよ、と非難するように夜行へ視線を向ける

鬼太郎｢そんなドラマなんか観せたら…｣

夜行｢いやぁスマンスマン！まさか親父さんが洋物にあそこまでハマるとは…｣

予想外だと言わんばかりに頭を搔く夜行

夜行の反応を見る限り、それは本当なのだろう

A｢…あっ｣

二人の様子を苦笑を浮かべて眺めていたAが不意に声を上げて固まった

鬼太郎｢ん？どうしたの…｣

Aちゃん？と言いかけた鬼太郎の言葉が止まる

目の前にはすっかり改造された鬼太郎の家があった

入口のすぐ目の前の足場には滑り台が取り付けられ、屋根の頂上には火の見櫓(やぐら)が設置されている

ぬり女房｢やぁ、目玉の親父さんに頼まれちゃってさぁ…！｣

ぬりかべ｢火の見櫓と滑り台付けた｣

第５１０話〜レスキュー目玉おやじ〜→←第５０８話〜レスキュー目玉おやじ〜

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す