巡り会う妖と人の子１２

第５１７話〜レスキュー目玉おやじ〜 ページ13

松明丸は燃え盛る大きな翼を羽ばたかせて横丁の方へと向かっていく

だがそれよりもいち早く逃げ帰ったねずみ男は砂かけに一部始終を伝えていた

やがて地面スレスレを飛んでくる松明丸に砂かけが火消しの砂を掛けてみるが、松明丸の巨大ではそれすらも焼け石に水の状態

ねずみ｢無駄だぜ、砂かけ！アイツの本体の炎は何をやっても消えねぇんだよ！｣

砂かけ｢なんじゃと！？｣

松明丸から降り注ぐ火の粉により、横丁はあちらこちらから火事が起こる

あっという間に逃げ惑う妖怪達でパニックが起こった

目玉｢落ち着け！まずは引火した炎の消化じゃ！｣

ぬりかべ夫婦ですらこの状況に戸惑う中、目玉おやじはファミリー・レスキューを集めて冷静に指示を出す

目玉｢アマビエ(キャサリン)、カワウソ(アレン)！

ミッション・ゴー！！｣

｢｢｢イエス！ダディ！｣｣｣

目玉｢子ぬりかべとAちゃんはワシに任せろ！！｣

その一方で、鬼太郎達は横丁の異変に急いで駆けつけた

一反｢鬼太郎ちゃん、大変ばい！｣

鬼太郎の後に追い付いてきた一反木綿に案内されて長屋の前まで走ってくる

すると再び松明丸が鬼太郎達の頭上スレスレを飛んでいった

鬼太郎｢なんてデカいんだ…！？｣

黒鴉｢それに、凄まじい邪気です…！｣

火の粉を撒き散らす松明丸に顔を歪めながら蒼坊主と虚空蔵に叫ぶ

黒鴉｢封印できますか！蒼坊主殿、虚空蔵様！｣

そう言われて蒼坊主と虚空蔵は懐から松明丸の為に作られた封印札を取り出した

だが溢れんばかりの妖気に当てられてどちらも焼けてなくなってしまう

蒼坊主｢無理だな！力が弾けきっちまって最早封印札で抑えきれるような代物じゃねぇ！｣

虚空蔵｢チッ…結構素材の質高かったのに…！

しゃーない！ぶっ壊すぞ！！｣

虚空蔵がそう叫ぶと鬼太郎は力強く頷いた

鬼太郎｢分かった！｣

そして右手を鉄砲の形にして煙に覆われた夜空を飛び回る松明丸に向けて構える

｢待つんじゃ、鬼太郎！無闇に撃ってはいかん！｣

すると声が頭上から降ってきた

思わず見上げると古今に乗った目玉おやじが長屋の屋根の上に乗っている

鬼太郎｢…父さん…！？｣

鬼太郎が一瞬躊躇ったところを狙い済ましたかのように松明丸が目玉おやじ達に向けて体当たりをかましてきた

直撃とはいかなかったものの、その衝撃によって目玉おやじが屋根から吹き飛ぶ

鬼太郎｢っ一反木綿！！｣

慌てて一反木綿に飛び乗ると落下していた目玉おやじを受け止めた

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