巡り会う妖と人の子１２

第５１６話〜レスキュー目玉おやじ〜 ページ12

蒼坊主｢その邪悪な天狗の怨念が小さな炎となって、密かに復活を狙って集まっているようなんだ

早くそいつらを見つけないと…｣

鬼太郎｢だからここのところ立て続けに火事が…

…っまさかそいつは横丁に！？｣

風呂屋を皮切りに急に増えだした火事を思い浮かべた鬼太郎はバッと顔を上げる

虚空蔵｢なんやて！？｣

思わず声を荒らげて身を乗り出した虚空蔵

黒鴉｢不味いですね…既に入ってるとすれば、妖怪横丁の妖気を吸って力を蓄え…復元してしまうかもしれない

…っ！？｣

すると黒鴉が突然横丁の方角を向いて目を見開く

その視線の先にはここからでも十分分かるほどに巨大な火柱が立っていた

────────

立ち上がった火柱から慌てて離れていくアマビエ達

だがAは何かに気が付いて火柱に戻っていった

しかし逃げることに必死な一同は誰一人それに気がつかない

その間にも火柱は更に集まってきた松明丸を吸収して巨大化していく

ねずみ｢ああああ…でかい炎になりやがった…！？｣

カワウソ｢これじゃ横丁が全部燃えちゃうよォ！！｣

すると古今の上に乗った目玉おやじが早速駆けつけてきた

目玉｢皆〜っ！！下がるんじゃ！！｣

｢｢｢ダディ！！｣｣｣

ねずみ｢だ、ダディって何…？｣

目玉おやじの登場に歓声を上げる一方で、事の顛末を知らぬねずみ男は首を傾げている

そんなねずみ男の事は放って目玉おやじは眼前の火柱を見上げた

目玉｢さてはあの妖怪が火事の原因だったんじゃな？

全員無事か！？｣

目玉おやじに言われるとアマビエが振り返ってメンバーを確認する

アマビエ｢…あれ？１、２、３、４、５、６、７、８、９、１０、１１…

１１人しかいない！子ぬりかべが一人いないよ！それにAちゃんもいない！｣

そこへ突如子ぬりかべの叫び声が谺響(こだま)した

一同が見上げると火柱が天高く立ち、やがて一羽の不死鳥(フェニックス)のような姿と成る

鳥の姿となった松明丸が轟くような鳴き声をあげて口を開くと、そこから子ぬりかべが覗いた

Aの姿は見えないが、子ぬりかべの手にはAの制服に着けられていた筈の赤いリボンが握られている

アマビエ｢あそこだよっ！！｣

そして子ぬりかべも松明丸の体内に落ちてそこから姿を消してしまった

胴体部分に木の枠を作り上げてそこに棒を溜め、完全な姿となった松明丸は空高く飛び上がる

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