じゃんけん【角名倫太郎】 (ページ2)

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「おはよう。マイハニー」

『真顔で言うなよマイダーリン。突然で悪いんだけどじゃんけんしない？』

「なんで？」

『じゃんけんで負けたら別れてもらおうと思って』

「酷い。俺のことは遊びだったのね」

『そーだよ遊びだよ。だからほら早くやんぞ』

「じゃあ俺が買ったら今後、別れ話はなしね」

『わかった』

「じゃんけん、ほい」

グーとパー…

『なんで勝てないの…！』

「実力の差だよ。それよりさ、もう別れ話はしちゃダメだからね？」

『そりゃ約束しちゃったからしないけどさ、なんで相手が私なのかは聞かせてよ』

「好きだから」

『え、…ガチ？』

「え、ガチだけど」

『ん？アホビデハナイ？』

「はぁ？」

何言ってんのこいつみたいな顔でこっちを見ないでください。

私も何言ってんのこいつ状態なので

「手出して」

『え、突然なに？』

「いいから」

『あ、はい』

私が手を角名の前に出すと角名も同じように手を出してきて2人の手と手が重なった。

手、大きいな

10cmくらい差、あるかな？

「ドキドキする？」

『いや、手デケェなって』

「じゃあこれは」

そう言うと指と指の間に角名の指が入ってきた。

これ世間で恋人繋ぎ言われてるやつなのかな

「ドキドキする？」

『ん〜、あったけぇなぁって。逆にこれでドキドキできる？』

そう言って私も角名の手を握り返してみた。

「…いいねこれ」

『すまん。何がいいのかわからん。てかこれになんの意味が？』

「どれだけ意識してくれるかチェックしようと思ったんだけど、恋人繋ぎなんかじゃなびかないみたいだから強引に進めることにした」

繋いでいた手をギュッとしっかり握られた。

そして腕を引かれた。

その後は腰に腕をまわれた。

そして気づいた時には唇と唇が重なっていた。

さっきまでドキドキなんてしなかったのに心臓が息を吹き返したかのように異常なほど波打った。

「これでわかった？本気で好きだって」

…初めてのキスは直前まで食べていた唐揚げの味だった。