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vol.08 ページ9

どうしよう…。

いつも友達に話す勢いで、

青柳さんの魅力を本人の目の前で語り尽くしてしまった。


しかも、かっこいいだなんて…。


自分で言った後で後悔をする。

『…すいません、語りすぎました』


恐る恐るそう謝罪をすると、

青柳さんは意外な反応だった。


「…いや、嬉しい。

そこまで見てくれてるとやりがいがあったな」


『…!』

テレビでは見た事のない、青柳さんの照れ顔…。


今すぐカメラに収めたい…!

なんて変な事考えるな、自分…!


「ねぇ、Aちゃんさ」


まるで照れを隠すように、青柳さんが口を開く。

『はい?』

「この後、時間ある?

よかったらご飯行かない?」

ラフな言い回しが青柳さんっぽくて、

私の頭は自然と縦に動いた。


「ほんと?俺いい店見つけたんだよね。」

『でも青柳さん、お疲れなんじゃ…』


いつも小さい事を気にしてしまうこの性格が

自分でもめんどくさいと思う。

でも気になってしまう…。


「…Aちゃん、気遣いすぎ」

『ぁ痛っ!』


そんな私に青柳さんが手を伸ばし、

額にでこぴんをされる。


「…もっと楽にしていいんだよ?

こっちも気遣っちゃうから。」


ちょっとヤンチャで無邪気な笑顔。

きゅん

また前と同じ心の音。


胸が

苦しくなる。


『…はい』


辛うじて笑顔を作って見せる。

「うん、じゃあちょっと待ってて、

今準備するからね。」

『はい』

もう…本当に夢としか思えない。

目の前の彼が青柳翔って事すら信じ難い…。


「…よし、じゃあ行こっか」


でも確かに目の前には青柳さん。

それは紛れもなく「現実」だった。


楽屋から出て、劇場を抜けるまでに

青柳さんの後輩に声をかけられる。


「翔さん、その子彼女ですか?」


冗談混じりに聞いてくる役者さんに

「さぁね〜…って冗談だよ」

と笑いながら受け流す青柳さん。

その横で笑いながらついていく。


テレビで見たまんまだ。


それが何故か嬉しく感じてしまう。


『青柳さん』

「ん?」


劇場から出て数分、青柳さんに声をかける。


『…好かれてるんですね、後輩さんに』

「あー、まぁ…ね」


照れ笑いをする青柳さんが、可愛く見える。

つられて私も笑っていると青柳さんが微笑む。


「Aちゃんも、

後輩には好印象だったと思うよ」

『そうですか?』


暗くなった夜道を

明るい会話をしながら歩いていく。

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設定タグ:青柳翔 , 劇団EXILE , 妄想   
作品ジャンル:恋愛
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砂我樹冷夏(プロフ) - この作品大好きです。また更新されるのを楽しみにしてます。 (2016年3月3日 22時) (レス) id: bc3d1de2bf (このIDを非表示/違反報告)
クレープ♪ - 更新停止やめて!!!!!!!!!!!!!!!! (2016年2月11日 13時) (レス) id: 5073b0f41b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鈴蘭 | 作成日時:2015年7月24日 15時

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