四話 ページ16
.
上から少女を追うと、人気の少ないところまで来た。
(ココ、ガラが悪いのが多いけど…一人で住んでんの?)
五条「おい」
突然上から声をかけられて、上を向くと太陽を遮るように五条が立っていた。空に。
「見下ろしてんな」
鉄の塊を投げつけたかったが、どうせ無限とやらで当たらないだろう。
夏油「どうやら見つかったようだね」
音も立てずにAの側に立った夏油は、歩く少女を覗いた。
夏油「あの子か……見えているのか?」
「あれだけ憑いてたら、いやでも呪いの影響を受ける筈だけどね」
五条「いいから行くぞ」
Aが一足先に少女のもとに降りたって、声をかける。
「君……呪われてるよ」
少女「………」
聞こえない距離ではないはずだが、少女は反応しない。が、肩を置いたその小さな肩が小刻みに震えているのをAは見逃さなかった。
「……おい──」
少女「助けて」
.
瞬きをすると、そこは森の中。
五条「んだ、これ」
夏油「生得領域か……?」
少し離れた場所にいる二人は、少女の背後から膨れ上がるように“黒いナニか”が出てくるのを見て構える。
五条「離れろ!」
「………!」
何故か呆然としているAを五条が引き寄せる。
五条「何ボーッとしてんだよ、バカか」
「刀……」
五条「あ?」
Aが見たのは、振り向いた少女が胸に抱える布に巻かれたもの。形状から直ぐに小刀だと分かった。その上。
「あの子が持ってた、小刀……多分呪物だ」
夏油「それに引き寄せられて……いや、呪いそのものなのかもしれないな」
五条「とりあえず祓うぞ。さっきの黒いヤツ霧散しやがった」
夏油は、散る呪い達を目で追っていく。
夏油「アレは私が何とかしよう。ここは二人で
やってくれ」
「「はぁ??」」
そして夏油は二人に有無を言わせずに走り去って行った。
嫌そうな顔をしたまま手を前につき出す五条にAは少女に目を背けずにたずねた。
「子供ごと殺す気?」
五条「オマエ次第だな。見せてみろよ…強いんだろ?」
.
269人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆあ - とても、面白かったです!\(^o^)/ 次回も必ず見ますので、よろしくおねがいします!(^^) (2021年7月30日 13時) (レス) id: fb16359603 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラ - 楓さん初めまして、この小説は五条悟オチですか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年1月25日 21時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 更新再開楽しみにしています! (2021年1月13日 0時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - うたプリ大好き?さん» コメントありがとうございます!最近絵の方に時間をつぎ込んでいまして(遊びではなくしっかりとしたもの)更新はしたいとは思っているんです!!本当に申し訳ないです (2021年1月13日 0時) (レス) id: 2075f0069f (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています!更新停止状態のままですが更新はされるのでしょうか? (2021年1月4日 20時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:楓 | 作成日時:2020年7月17日 23時