八話 ページ9
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帋弥「ん、まあまあだな。“さっきの奴”は弱かったから」
虎杖から聞いた男と似ているけど、違うっぽいな。
確か“真人”とか言う奴は魂を自由自在に変形させられるとか。
多分コイツは、逆で肉体を変形させられる。
どっちにしろ触れられたら即死ぬのには変わりないし。どうでもいいけど。
何の呪いから生まれたんだろうか。
「まあいい。こっからは真面目に行こう」
メグミ達が心配だし、多分サトルも先生達も足止めを食らってるだろうから。
特級の私が道草食ってたらダメだよね。
「……「重力統御術」」
武器は球に戻して、完全に素手の状態。
バゴンッ
地面をぶん殴って、土埃をたてる。
帋弥(目眩ましか…)
岩や木を浮かせて奴に向けて飛ばす。
受け止めて避けられるのは分かってる。
帋弥(障害物に紛れて完全に気配を消した……どこに行った……!?)
(狙いはそれだよ)
がら空きの腹に手を当てて、術式を発動させる。
バッツンッ
帋弥「!!」
男の体は頭、胴体、下半身に分散して各々飛んでいった。
「生きてる間に話してもらう。君達のボスは?」
生首を持ち上げていい放つが、本人は大して気にもしてないような顔をしている。
帋弥「なるほど、強ェな。好都合だ」
馬鹿にするように、こっちを見てニヤニヤと笑ってる。
帋弥「勘違いさせた見たいで悪かったなあ」
いや、違う……。
コイツの視線の先は下半身のある方向……
私が違和感を感じ取った時には、既に手遅れだった。
──ブシュッ!!
「っ……!!」
激しく動く“何か”が振り返った私の片腕を肩ごと吹き飛ばした。
チャンスを逃さんとばかりに首と横腹に深く斬撃を飛ばしてくる。
「っ……」
まだ、いける……。反転術式を使って、次は粉々にする。
右手を前にして、重力を…─────
帋弥「もう出せねェよ」
(!? 術式が“使えない”……!)
前方からガサガサと音が立つ。
下半身が不気味に立ち上がると、音を立てて再生し始めた。
出来たのは、顔の爛れた女の呪霊。
ソレは刃を飛ばして、私の右手を持っていった。
術式が使えないなら反転術式も不可能……。
私は地面に落ちた。
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楓(プロフ) - あみみさん» ありがとうございます!分かっていただけて嬉しい!!頑張りますよー!! (2020年6月22日 0時) (レス) id: 2075f0069f (このIDを非表示/違反報告)
あみみ(プロフ) - 解説わかりやすかったです!設定が面白いです!! (2020年6月21日 22時) (レス) id: a0752004c7 (このIDを非表示/違反報告)
あみみ(プロフ) - 続編おめでとうございます!!!これからも無理をせず更新頑張ってください!応援してます!!! (2020年6月21日 22時) (レス) id: a0752004c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:楓 | 作成日時:2020年6月21日 18時