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十二話 ページ31

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 ガシッ



「!」


 下から生えた腕に足を掴まれる。



 下を向くと、血の気のない人間の腕……1人だけではなく、何人も這い出てAを闇に引きずり込む。









 ドプンッ




 今度は打って変わって真っ暗な空間。




 すぐ近くに一人の人間が立っていた。後ろを向いていて顔はおろか性別も分からない。




 Aはゆっくりとした足取りで近付いていくと、肩を掴んで無理矢理振り向かせる。




 掴んだ感覚と背丈で直ぐに男だと分かったが顔には靄がかかってハッキリしない。



 息を飲むと、やがて靄が晴れて顔が現れる。









「…っ……あ…」



 その顔を見て、Aは目を見開いた。





 ガッ


「ぐっ……」



 男は容赦なくAの首を締め上げる。体格の違いから、体が簡単に持ち上がってしまう。






(コイツは幻覚だ……)





 この苦しさも、胸の痛さも全部偽物。







 それに………もう忘れたはずなんだ、あの人の事は。





 誰よりも短い付き合いで、下手すれば声なんか忘れてしまうくらいだったんだから。




 それでも、口は無意識に彼の名前を呼んだ。







「……と……甚爾…」




 男は反応何かしない、そうだこれは幻覚なんだから。




 ギチギチと首がヤバイ音を出し始めた。




(幻覚でも死ぬのか……術式だからもしかしたら…)




 でも、彼に殺されるならなんて考えるほどは
落ち着いたかも。





(私って、弱いな……)






“「大事なもん守り抜くまでは、絶対に死ぬなよ」”




「!」



 締める手が緩んだと思うと、彼が一瞬笑ったように見えた。





 それによって我にかえったA。



「離せ」



 太刀で思いきり払うと、霧となって消えていった。



 すると、視界の端で何かが光っているのが見えた。




「あれを壊せばいいっぽいね」





 ダッ




───




鋭晢《あぁ……出てこれたんだ》



「お陰様……胸くそなの見せやがって」



 周りはまだ元には戻っていない、さっき光ったコアらしきのもまだ壊せてない。



 多分まだ領域の中。




 鋭晢を倒すことよりも先ずは領域を解除することに決めたAは太刀でコアを突くが、避けられる。


 その後も幾度となく攻撃するが、動きが読まれているように全て当たらない。




鋭晢《そのコアは呪力に反応して動くんだよ。君が呪力を纏ってる限り絶対に触れられない》



.



 

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(プロフ) - あみみさん» ありがとうございます!分かっていただけて嬉しい!!頑張りますよー!! (2020年6月22日 0時) (レス) id: 2075f0069f (このIDを非表示/違反報告)
あみみ(プロフ) - 解説わかりやすかったです!設定が面白いです!! (2020年6月21日 22時) (レス) id: a0752004c7 (このIDを非表示/違反報告)
あみみ(プロフ) - 続編おめでとうございます!!!これからも無理をせず更新頑張ってください!応援してます!!! (2020年6月21日 22時) (レス) id: a0752004c7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年6月21日 18時

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