三話 ページ4
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「この異様にピリピリした空気……やっぱり勘は当たってた」
────京都高の宿儺の器殺し。
学長の楽巌寺が虎杖の事をよく思っていないのは明らかだが、生徒はどんなものかと考えていた。
(呪術師としての心意気だけはあるからなあ)
普通なら他校の生徒を殺す等あり得ない事だが、これは呪術の関わる話。
いくら制御できているとしても、毒入りの爆弾を体内に持った状態であることには変わりなかった。
下手をして爆破してしまう前に対処することは術師として当然のことである。
ましてや顔を合わせただけの男子高生のことなどどうでもいいのだ。
(あんのジジィ……)
思わず顔がしかめっ面になるが、何かを思い付いたのかはっとする。
(となれば、京都高の子達とばったり会った暁には過度なイジワルしても…───いいよね)
近くの烏が勢いよく飛び上がった。
─────
しばらく走っていると、見知った後ろ姿が見えた。
「トゲ!」
狗巻「!…明太子」
恐らくメカ丸の物と思われる腕と、スマホを手にしていた。
狗巻「ツナ」
「ああ、オーケー」
狗巻はこの二つを使って、他の京都高の生徒を一人リタイアにしたらしい。
「んじゃ、とっとと祓っちゃおうか」
狗巻「しゃけ」
二人して足を一歩踏み出した、その瞬間。
後ろから呪霊の気配がし、同時に振り返る。
何もいなかったが、明らかに“いる”。
(なんだ……ボス呪霊じゃないな)
狗巻「こんぶ…」
木の影から出てきたのは、二級以上はある呪霊…………の頭だった。
狗巻「!!」
「!」
呪霊の頭部はゴロンと音をたてて地面に転がり落ち、そのまま消滅した。
だがそれでも気配は消えることはない。むしろ更に強くなっていった。
ゆっくり、ゆっくりとそれが本性を現す。
両目に木を生やした、異形の呪霊。
?《─────》
狗巻「しゃけ、いくら。明太子」
「本当だよ……面倒な事になってきた」
狗巻は口元のファスナーを開け、Aは長刀を生成して戦闘体勢に入った。
─────
場面はある建物内───
伏黒の式神と加茂の赤血操術が激しくぶつかり合っていた。
伏黒はトンファーと式神を上手く活用しながら攻撃を受けて戦っていたが。
血で体を強化している加茂の近接攻撃にトンファーを破壊され、苦戦していた。
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楓(プロフ) - あみみさん» ありがとうございます!分かっていただけて嬉しい!!頑張りますよー!! (2020年6月22日 0時) (レス) id: 2075f0069f (このIDを非表示/違反報告)
あみみ(プロフ) - 解説わかりやすかったです!設定が面白いです!! (2020年6月21日 22時) (レス) id: a0752004c7 (このIDを非表示/違反報告)
あみみ(プロフ) - 続編おめでとうございます!!!これからも無理をせず更新頑張ってください!応援してます!!! (2020年6月21日 22時) (レス) id: a0752004c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:楓 | 作成日時:2020年6月21日 18時