十話 ページ29
.
鋭晢《遊んでくれよ。退屈なんだ》
「…腕と指の落とし前は付けさせてもらうとするか」
ビュウッ
すると、強い風が突き付ける。
Aが腕で顔を覆うと、風が服を裂いた。
(風を操る術式…?遠距離は面倒だな)
鋭晢《すごいや、完璧にバラバラにしようと思ったのに》
「あれからまた鍛えたんだよ」
鎌を数回振ると、遠心力でついた勢いを殺さずに鋭晢に向けて放つ。
ドゴゴゴゴッ
その威力は地面を抉り鋭晢を地面に沈めた。
(手応えなし……死んでないな)
ビュ───
「!」
横から飛んできた何かを攻撃しようとするが、よく見るとそれは伏黒だった。
バッ
何とか受け止めて、地面におろす。
伏黒「悪ィ……」
「いや……ていうかアレ何」
土煙の中から出てきたのは、人型の呪霊。
伏黒「クソッ……またアイツか」
「知り合い?」
伏黒「な訳あるか」
ふざけてはいるが、Aの顔は珍しく真剣で伏黒の方は見ていない。
伏黒「……考えがある、できるだけ遠くに行ってくれ」
「……変なこと考えないでよね。初の同級生との任務で死なれたら重い」
ダッ
それだけ言うと、鋭晢のいる場所を避けるようにして走る。
鋭晢《流石は特級術師だなあ、あ、逃げたらダメだよ》
シュル……
鋭晢《……?》
鋭晢の足に巻き付いたのは、銀のワイヤー。
「散歩しようか」
グンッ
ワイヤーを振って鋭晢を遠くまで投げ飛ばすと、後を追うようにまた走る。
伏黒「死なねぇよ……オマエに伝えるまでは」
─────
鋭晢《正直言って、この戦い苦戦してるんだよね?見た感じ近接戦の方が得意そうだし》
刃を飛ばされ、それを鎌で弾く。近付くと再び刃が襲うの繰り返し……。
「どうかな」
ビュッとAが飛ばしたのは、長い針のようなもの5本。
そして、鋭晢に向かって突進する。
鋭晢《無駄だって》
当たり前に風によって針は吹き飛ばされる。
鋭晢が刃を放つが、Aは避けることなくそのまま突っ込む。
ガシィ…
「捕まえた…」
鋭晢《だからなんだ…!》
腕を振る鋭晢だったが………腕が動かない。
鋭晢《何だこれ》
「ほら、それ」
首を後ろに回すと、背中と腕に先程弾いたはずの針が刺さっていた。
「上手くいった、よかったよかった」
.
150人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
楓(プロフ) - あみみさん» ありがとうございます!分かっていただけて嬉しい!!頑張りますよー!! (2020年6月22日 0時) (レス) id: 2075f0069f (このIDを非表示/違反報告)
あみみ(プロフ) - 解説わかりやすかったです!設定が面白いです!! (2020年6月21日 22時) (レス) id: a0752004c7 (このIDを非表示/違反報告)
あみみ(プロフ) - 続編おめでとうございます!!!これからも無理をせず更新頑張ってください!応援してます!!! (2020年6月21日 22時) (レス) id: a0752004c7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:楓 | 作成日時:2020年6月21日 18時