三話 ページ26
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目を開けると、ふと後ろに気配を感じた。
孔「勝手にウロウロすんじゃねえよ」
「あれ、何か買うものでも?」
孔「酒だ」
「なるほど」
Aの腰かける瓦礫から見えるのは、戦いの痕跡が残ったとある場所。
孔「何してた」
「思い出に更けてたの。たまには過去を振り返ることも大事だから」
孔「年寄りのセリフだな」
「やめてよ、まだピチピチなんだから」
立ち上がると、足場の悪い瓦礫の上を飛びながら孔の元へ戻る。
孔「もういいのか?来たばっかだろ」
「うん。たまには供養に来るだけでもやらないと、いつか化けで出てきそうだから」
孔「アイツがか?ごめんだな」
故人の話をしていると思われるが、そこの回りには墓一つ建っていなかった。
孔「それでももっと有意義に使え、ここまで来るのにどれだけかかると思ってる」
「そんな事言いながらも毎回付き合ってくれるよね〜」
睨まれたため顔をそらすと、そそくさと立ち去ろうとする。
「化けで出るって話したけどさ」
孔「ん?」
「もしあの人が蘇ることがあったら。
そのときは、殺してやろうと思う」
ビュウ───
強い風が吹き付ける。
───もう夏になるというのに、その風あたりはどこか痛かった。
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──地下 訓練場──
五条「悠仁の呪力はさ、遅れてやってくるね」
死んだ事を隠しながら、交流会へ向けて五条と特訓を積んでいた。
虎杖「遅れて?」
床に倒れこむ虎杖が息を切らしながら、ポカンとした顔を五条の方へ向ける。
五条「悠仁の瞬発力に呪力が追い付いてない。呪力を留める技術も未熟だから、軌跡に残りがち。
それが逆に変則的な呪力の流れを作ってる。拳が当たったと認識した直後に呪力がぶつかってくる。
つまり、一度の打撃に二度の衝撃が生まれる」
虎杖「お、おぉ!…………お?」
五条「まあ、これから上手く扱えるようになるよ。
なかなか狙ってできることじゃない。これは大きな武器になる」
五条を前に床に胡座をかいている虎杖は、理解できているのかいないのか、曖昧な表情をしている。
五条「感覚はまだ掴めてないようだし、難しいかあ」
一度考える仕草をすると、ぴっと人差し指を立てる。
五条「そんなこともあろうかと、良い助っ人を連れてきた!」
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楓(プロフ) - 豆腐てゃんさん» ありがたいです!!これからも頑張ります!! (2020年6月15日 20時) (レス) id: 2075f0069f (このIDを非表示/違反報告)
豆腐てゃん(プロフ) - めちゃくちゃ好きです…!楽しみにしてます!がんばってください!! (2020年6月15日 13時) (レス) id: 8e32012101 (このIDを非表示/違反報告)
あみみ(プロフ) - 楓さん» 楽しみにしてます!これからもご愛読させていただきます!!! (2020年6月14日 15時) (レス) id: a0752004c7 (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - あみみさん» まだまだ面倒な設定が残ってます……。それでも見ていただけるように努力します!! (2020年6月14日 0時) (レス) id: 2075f0069f (このIDを非表示/違反報告)
あみみ(プロフ) - 夢主ちゃんの呪術面白いです!!これからも応援してます、頑張ってください!! (2020年6月14日 0時) (レス) id: a0752004c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:楓 | 作成日時:2020年6月8日 1時