結局、行く末は呪い【呪術廻戦】

二話 ページ25

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　気付けば───「皆殺し」。





　“「こっちのやつらは殺して正解ね」”



　しばらくモヤと過ごして、実体がうっすらと見えるようになってきた。


　真っ白で長い髪に、月見たいなおっきい眼。








　天井までガラス張りの部屋からは、雪が降っているのが見えた。





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　───「あの子供がアレの生まれ変わりというのか」



　───「死んだはずがソレのせいで蘇ったそうだ。その際に天与呪縛をも授かったと」




　アレとかソレと言われているのは多分、白いモヤ……「密厳夜叉」のことだろう。




　そして、“天与呪縛”。文字どおりだが、天から与えられた呪縛。


　このせいで、腹が減ることはなくなったし、睡魔もこなくなった。

　言うならば人間としての機能をいくつか失った。


　一番厄介なのは、年齢と身体が合わないということだろうか。


　今の年齢は見た目的には五歳だけど、その倍くらいは知識を持っているような感じ。



　その上で身体の成長速度も不定期で、よくわからない。





　やりたいことやれるし、それほど困ってはいないけど。



　けれど、その代わりに得たものもある。



　“ボク”と夜叉の繋がりだ。




　“「元々貴方は持ってたのよ。死んだことがトリガーになって、出てきたってところかしらね」”


「ふむ……」






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　正直言って、ここでの生活はまあいい。



　服はちゃんとした着物だし、風呂も入れる。


　部屋も和風造りで畳の上で布団でぐっすり眠れるし、ご飯も三食。


　まあ、腹は減らないし、睡眠も必要ないけどそこは気分で。




「ここは雪は降ってないみたい」



　でも相変わらず実験まがいなことはされる。


　血を取られたり、術式の練習をしたり。




　“「ここの禪院家を根絶やしにしてほしいんだけど、殺すだけじゃ駄目なのよね」”


「どういうこと?」



　“「貴女には呪術界を変えてほしい。だったら、乱暴なやり方をしたら誰も着いてこないでしょう?」”




「どうしてそこまでして…」



　毎回こんな会話をするけど、これ以上話が進むことはなかった。









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　───それから一年と半月。




「お兄さん、何してるの?」




？「……は？」





　中庭で透明な彼と出会った。





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