番外編「おかしくなった緑谷出久」 その6 ページ34
轟side
爆豪にあった。
病院以来から全くあってなかったから、少し嬉しかった。
けど、前よりもどこか窶れていて。
(……本当に、生きてんのか)
「久しぶりだな、キズはどうだ?」
勝杞「別に……痛くも痒くもねぇし」
昔と違って、小さく感じるな。
感じると言うか、実際に自分から見て身長が低い。
爆豪も一瞬俺を見て眉をひそめた。
「今は188㎝だ」
勝杞「心読んでんなよ、殺すぞ」
…………。
……………?
勝杞「何しに来たんだよ」
「親父の付き添いだ連れてこられた」
「爆豪は?」と、後に付け足して言うと爆豪は少し顔を曇らせた。
勝杞「…ただの息抜き」
そうは思えなかった。
理由はどうであれ仕事熱心な爆豪は、平日にこんなとこに来ない。
誰かと一緒にここに来たのか……?
考えた末……。
「少し、話さないか?」
―――――
俺は、爆豪に好きだと伝えた。
悩んでるなら、相談に乗ると。
『デクと同居してる』
ソレは、俺にとっては衝撃的な一言だった。
ぐじゅぐじゅと、俺の中のナニかが。
黒いモノが………ナニか……。
俺は、爆豪を抱き締めた。
この手から逃がさないように………。
俺を頼れ、爆豪……。
俺がお前を支えてやる。
支えて………。
―――――
ザッ
「!」
緑谷「轟くん………久しぶり」
「緑谷……聞いてたのか、話」
緑谷は何も言わず、こっちを見てずっと微笑んでいる。
緑谷「そんなにかっちゃんが心配?」
「お前…何考えてんだ」
スッ
緑谷は静かに近寄って来て、俺の顔を除き込むようにする。
緑谷「轟くんだって、僕と同じじゃんか。あんな状態のかっちゃんを見て、助けてやりたいって思ってる」
「っ………」
言い返せなかった。そう思っていたのは本当だったからだ。
緑谷「一緒にかっちゃんを助けよう?」
「お、俺は爆豪をそんな風に見てねえ!!」
怒鳴る俺を見て、緑谷はただニヤリと笑っていた。
コイツは可笑しい
緑谷「…そっか……と………ね」
緑谷は下を向いて何やら言っている。
緑谷「ねえ、轟君。教えてあげるよ、僕とかっちゃんの秘密」
〝だから、一緒に来て〟
俺は、迷わず緑谷に付いていった。
まるで、とり憑かれたかの様に――
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作者名：楓 | 作成日時：2018年2月25日 19時
