短いダリ先生とのお話 (ページ10)

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教師を辞めて3年の月日が経った。

寂しくない。と言ったら嘘になってしまうが、生徒達が居た騒がしいお昼の時間は静かな時間となってしまった。

家に帰ったら怒られる。とかビビっていたが扉を開けると目を丸くしたお母様はぎゅっと、手で私を包みこんでくれた。

「寒かったでしょう」と。

お父様は、わんわん、泣きながら怒られた
泣いてたから何を喋ってるかわからなかったけど、心配してたことには違いなかった。

『家具買いに行ってくるね』

「もう一人暮らしするの？！」

「危ないぞ！」

『元々一人暮らしだよ』

どうせなら、家に近い所に住もう。
これを機に。引っ越しとか。

前はダリ先生居ないと危なかったしなあ。

ダリ先生かあ。

パチンと頬を叩いた。
切り替え切り替え！

家具を買いに来たんだ

『一人暮らしにこのレンジは大きい場合かなあ…』

「んー。どうだろうね、まあ僕も来るし大きめでいいんじゃない？」

『そうだよね』

よし次々…。
次？え？

『え？』

「うわ、図太い声」

▽▽▽▽

「久々だね〜」
『ああああうんん、日、久々だね〜』

き、気まずい…！！なんか流れで一緒に見るみたいになっちゃった！

『ど、どうしているのー？』

ダメだ！どうやってコイツと接してたっけ！

「こっちのセリフだよ、ほら前話さなかったっけ？」

"大きい家の近く"

私家だったの？！
嘘でしょ？！ほんとに？！！

「ん？もしかしてわざと会いに来てくれた？」

『偶然ね、…このソファ可愛い？』

「シンプルで可愛いんじゃない？」

『だよね』

そのまま私達は家具を見に行った。

『ありがとう手伝ってくれて、いいのが見つかった。』

父が迎えに来てくれるから、そう言って別れようと思った。
「えー、残念最後に飲もうと思ったのに。」

『…？会えるでしょまた買いに来るんじゃないのここ』
私は首を傾げた。

「寮から遠いしねー。しばらくは来ないかなあ」

『…そうなんだ。会えるといいね』

「そうだね」

じゃ。彼はそう会話を切り出して背中を向けた。
これで最後。

私の気持ちをスッキリする。
スッキリするし。

…