短いダリ先生とのお話 (ページ8)

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そのまま男は横へ通り過ぎていった。

『このストーカー…。』

「ひどいなぁ。これでも助けた方だよ〜？」

まあ否定はしないよ、ということはホントなのか。
けどそう思うしか辻褄が合わない。
どこにでも現れるなあ。ほんと彼は。

『ありがとうございます』

「なんで？」

『怖かったので、怪しい人と夜一緒なんて』

「そっか。」

優しい所もある。
だから彼はモテていたのか。

「ちなみに寮近くだけど僕の家寄って行く？」

『大丈夫です』

いや、気のせいかもしれない。

▽▽▽▽

ある事件も昨日のことになり、朝、私は目が覚めると急いで体重計に乗った。

『戻ったああ…！』

元の体重計に！
やっと！この数ヶ月！私は良く頑張った！
お弁当も毎朝作り続けたし、便所飯も良く耐えた！！

やった！ホントに嬉しい！

「Aちゃんは僕のお嫁さんに適役なんだと思うんだけど」

『え…？』

否。地獄だ。

休日に、彼から誘いがあった。
そうデザートの券だ。

勿論、意識はしていた。
男と二人っきりでデザート店に行くなんか、完全に恋人同士がすること。

その後ホテルに行くのが当たり前でしょ？
だから誘われた時、痩せることもあったけど一番心配だったのが、彼が私に好かれてると勘違いすること。

嫌いなら行かないし好きとまでいかない。
だってただの先輩なんだし。

『家具とかってさ、どこに買いに行ってる？』

「大きい家の近くのところかなあ。目立つから目印に凄く良いんだよ」

最初は順調だったのに。

なのに、最悪な事態が起きた。

「ん？」

『…え？』

まさか。ド直球でくるとは思わなかった。
口に含んでいたケーキをごくんと飲み込む。

『…まあ？二人っきりでデザート店に行くとかデートだもんね』

「分かってたるなら相当ヤバいね」

『そりゃあ』

どうにかして、話題を変えたい。と思う私は最低だろうか。

『付き合ってほしいの？』

「うん、結婚を前提にね」

"結婚を前提に"

『ちょっと…無理かもしれない』

「キッパリだね〜。理由は？」

『ま。家系のせいかな。ごめんねご馳走様誘ってくれてありがとう』

私は、机にお金を置いて、そのお店から出た。

(…元々嫌いだし。)