短いダリ先生とのお話 (ページ7)

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そう考えながら足を速める。やはり夜は暗い。
出来るだけ明るい方の道を選んだつもりだが、これでもこの暗さとはどういう事か。

そう思っていたら、後ろから私と同じ様にランニング、というよりかは慌ただしい足音が聞こえた。

休憩代わりに止まって後ろを振り返ると、全身真っ黒な怪しい人。多分体型的に男の人だ。

怖い。

直ぐに右へ曲がった。
そうすると怪しいヤツは、私の道順を辿っていくかの様についてくる。

ヤバいヤバイヤバイ。

飛んでみる？とでも思ってみるが、その間になにかされたら落下で死んでしまうし、まず彼は手になにか持っている。

暗くて何を持っているかは、分からないけど。

出来るだけ人気の多い所に行こう。
けど…もしそこで彼が持っているものを振り回したらどうしよう。

まずそもそも、怪しい人って決めつけてるだけで危険な人とは分からない。

私は少し考えてつばを飲み込んだ。

自販機で足を止めたのだ。
水を買っているふりをして、通り過ぎたのなら私の勘違いだけど、目の前で立ち止まって持っているものを振り下げてくるならそれはもう危険人物。

大丈夫！魔術を使う準備はできてるし…。
これでも教師。

ある程度強いに決まっている！

段々と近づいてくる足音に心臓が破裂しそう。
とうとう、彼が来る。

「あの…！ハンカチ…落としましたよ。」

私はその言葉に目を丸くした。

『ハンカチ持ってないです…。』

チッという舌打ちが響いた。
男は、拳を勢いよく私の顔殴る。

目を瞑った。

(…痛くない？)

「あれ？こんな夜に男性と２人なんて、お盛んだねぇ」
ピッと、後ろから自販機の押す音が聞こえた。
そうすると、目の前に居る男は、手をおろし顔を変えた。

「すみません、人違いでした」