短いダリ先生とのお話 (ページ6)

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取られそうになったのを胸に抱え込んだ。

『ちょっとぐらい許してくださいよ！！なんでそんなに食に厳しいんですか？！』

「お前が緩いだけだ」

…………

おまんじゅうを口に放り込んだ。
口を動かしながら授業の準備をした。
『ダリ先生おまんじゅうありがとうございます』

さて。この話はなかったことに。

私は今、凄いことを目にしている。

太った。

久々におまんじゅうを食べたせいで、抑えきれなく1日で?㎏も太ってしまった。

最悪だ。なんかお腹も出てきたし、全体的にふっくらしてるし。

昨日まではスラッとしてたのに。
1日でこんなに？！って思われたくない。

痩せよう。この夜で

▽▽▽
まあ無理に決まってる。朝に計ってみたが逆に増えてた。

なんで？寝てただけなんだけど。

けどまあ良い。教師をナメてはならない。

『今日は、マラソンをします。飛行魔術全て厳禁。自分の足で走るように』

「「「はあああああ？！」」」

本当は、本読みとか適当に済まそうと思ってたけどこれじゃ仕方ない。
マラソンとかやるつもりだったし早まったと思えばいいだけ。

「え？！A先生も走んの？！！」

『暇だから…』

痩せるため。とか死んでも言えない。

▽▽▽▽

さて。第1難問クリアした所で、ラスボス。
昼食だ。

便所飯にしよう。職員室で食べると絶対美味しそうで皆の食べてしまいそうだから。

今回はちゃんとお弁当を作ったし、献立も完璧。
後はトイレで食べるだけだ。

▽▽▽

放課後が回ってきて、直ぐに帰る。
全てはランニングのためだ。

「A先生〜〜この前デザート券当選したんですけど一緒にどうですか？」
突然呼び止められ、げっ。と心の中で思った。

"デザート券"
この文字が魅力的に感じるのはどうしてだろう。

彼は、2枚の紙切れをこちらに向けてくる。
悪魔のような顔をして。

正味行きたい。あれでしょ？私が結構友達とかに頼んで参加したのに当たらなかったあのデザート券だよね。

ダリ先生が当選したなんか意外……。

まあ断るけど

『申し訳ないけど…「今なら安いらしいから奢ってあげようとか思ってたんだけど。まあしょうがないよねA先生が用事で忙しいのなら」

『行きまーす！！』

▽▽▽

ダリ先生が奢ってくれるなら話は別だ！
大丈夫、その時まで痩せればいいだけだし…！

言い訳を自分に言い聞かせながら、私は走りやすい格好に着替えた。

そう。ランニングをしに行く。

(知り合いに会いたくないな)