【B-PROJECT】誰の手をとるの？ (ページ1)

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｢お疲れ様です｣

今を彩るトップアイドル…なのかは分からないが、最近売れ始めてきたというB-PROJECT。
私、空木(うつろぎ)Aは彼らとの仕事は今回が初めてである。

礼儀正しく、なおあの二人はリアル王子様と姫。見惚れていませんと言えば嘘になるが、知らないうちに私は二人を目で追っていた。

スタッフ｢空木さん、キタコレの二人に目が釘付けの様ですが、どうですか？｣
A｢…ど、どうですか、とは？｣

突如私は声を掛けられた。
後ろにいた女性スタッフさんだろう、私がキタコレの二人を眺めていたら、にやにやとした表情でこちらを見てきたのだ。

スタッフ｢そりゃあ演技全てを含めて完璧なのかという意見もありですが、一緒に撮影して、って事ですよ｣
A｢ああ…、？｣

その笑みはどんな意味を込められているのか、私には分からない。
だがきっとこのスタッフさんは、今回あの二人と共演してどう思ったのかと聞いているのだろう。だから、私はそれに対しての言葉を返した。

A｢良いと思いますよ、北門倫毘沙さんと是国竜持さん｣
スタッフ｢そう言って頂けると嬉しいですよ、また次回共演も夢では無いですね！｣
A｢あはは、そうですね｣

ああ、きっとこのスタッフさんは、キタコレの二人に会いたいとちょっと思っているからこんな事を聞くんだ。
私からの評価が良ければきっとまた彼等と共演が出来る、とでも思っているらしい。

そんな事だけでいちいち質問してくるとは。

A｢………めんどくさ、｣

誰にも聞こえないようにと、ボソリと呟いた言葉。さっさと楽屋に戻って帰る準備をしようと思った時だった。

｢ねえ、何がめんどくさいって？｣