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階段を下ったそのすぐ脇
体育倉庫の近く
『……え、桜？』
「じゃない？知らんけど」
そこにオレンジみがかった葉を沢山つけた一本の桜の木があった。
太宰はそれには何も触れず、木の下の石段に腰を下ろした。
『……こんなとこに桜あったんだ』
「偶然見つけたんだよ。まぁたまには外で食べるのもいいだろ」
風が吹き、それに呼応するように葉が揺れている。
昔読んだ何かの小説に
こんな桜の描写が出てきたのを思い出した。
夕焼けのような深いオレンジ
確かその小説ではそんな風に形容していたけど、この葉はそんな綺麗な色ではない。
もっとまだらで
黄色とオレンジの入り混ざったような色味だった。
『……うん、いいかも。てか太宰にも生き物を愛でるような情が残ってたんだね』
「うわ虫来た。最悪」
『…』
風情の欠片もない太宰の隣に座った。
_____________________________________________
『なんかこの木さ「セルフカラー失敗！」みたいな感じしない？』
「は？」
『いやほら。よく見たら綺麗にオレンジ一色ってよか所々まだらじゃん』
サンドイッチを頬ばったまま、1番近いとこにある葉っぱを指差した。
太宰は全く興味なさそうに指先を見ている。
「こんなもんだろ」
『でも私こっちの方がすき』
「つーかどうでもいいわ」
ハハ、言うと思った。
「てかさ」
『ん？』
ツナサンドの最後の一口を頬張って、もう一度桜に目を移した時
「私子どもできたかも」
『……っ"ゴホッ！！』
思い切りむせた。
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ビビ(プロフ) - あゝさん» ありがとうございます！！ものすごく更新が遅くなってしまい申し訳ないです…( )ちゃんと完結できるようがんばります…！ (2022年4月4日 9時) (
レス) id: 703d6ad490 (このIDを非表示/違反報告)
あゝ - この作品が大好きです！更新頑張ってください！応援してます！ (2022年3月26日 12時) (レス) @page33 id: 9b530e966e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ビビ | 作成日時：2021年7月15日 9時
