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貴方.
『……あの、すみません。こんな顔なんで、映りは悪いと思います』
撮り終わってから、自分の無表情さを思い出した。
友達と撮ったときにどんなに目立つか……少しでも笑えたらいいんだけど、中々笑えない。
「笑ったつもりなんですけど」と付け足すと、その人は急に笑い出してしまった。
「何で謝るんですか!そこがAちゃんのいいところだと思うし、好きですよ」
『え?』
「普通の人なら泣いたり笑ったりしちゃうところを、全く動じないじゃないですか。それって当たり前に出来ることじゃないよね」
「そうそう。冷静なのは長所ですよ!無表情っていうけど、真顔で決まるのはAちゃんとリプちゃんくらいです」
『そんな……リプニツカヤさんに申し訳ないです』
私のことをそんな風に言ってくれる人がいるなんて知らなかったし、思いもしなかった。
不意に投げかけられた優しい言葉にほっとしていると、「A?」と私を呼ぶ一希の声。
後ろには宇野くんもいて、周りのテンションが一気に上がる。何てったって、オリンピック銀メダリストやもん。
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あお - 26話、「好きやねんやろ」よりも、「好きなんやろ」のほうがよいと思います。途中までしか読んでいないので、楽しんで続きを読ませていただきます (2019年1月5日 20時) (レス) id: 9b31bd131c (このIDを非表示/違反報告)
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