笑わない君と《 Kazuki.T 》 (ページ50)

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貴方.

「では、紀平選手！シニアデビュー戦で見事にトリプルアクセル成功しましたね！おめでとうございます！」

「ありがとうございます！」

「憧れの選手は氷川選手だと伺っていますが……同じ試合に出てみて、感じたことはありますか？」

梨花は少し考える素振りを見せて、ちらりと私を見た。小悪魔のような、いたずらっ子のような笑みが可愛くて、少し頬が緩む。

「Aちゃんとは、昔からよく同じ試合に出てたんですけど……やっぱり私より何年か早くシニアに上がってて、慣れっていうものが違うなって。」

「なるほど……氷川選手はどう思いますか？」

『梨花は、四回転も跳べそうなポテンシャルの持ち主なので……相当凄い選手だと思います。だから、安定した演技で勝負するしか勝つ方法はないかなと。』

「その決意が見えるような流石の貫禄でしたね、紀平選手！」

「はい！いつかは勝ちたいけど、やっぱり凄いです」

梨花はそう言ってまた微笑んだ。

初々しいような、素直でハッキリとした受け答えを見ていると、考えさせられるものがある。
私も梨花みたいに、素直に生きられないものか……

「ところで、氷川選手。日本では氷川選手のジャパンオープン出場が発表されたのですが……そちらの方はどうお思いですか？」

『……えっ、私がジャパンオープンにですか？近畿選手権と被るんですけど、あれ、』

「地方ブロックは免除という形らしいですね。」

『あー……なるほど。まだよく分かってないんですけど、そうですね。団体戦は初めてなんですけども、足を引っ張らないように、少しでも日本の優勝に貢献出来るようにしたいです。』

「Aちゃん、頑張ってね！」

『もちろん』

そっか、近畿選手権出られへんのか……
久し振りに一希と同じ大会に出られると思ったのに、まさか他の大会と被るとは。

仕方ないことやけど、寂しいなあ。

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続編が出来ました！(＾_＾)

笑わない君と …second《 Kazuki.T 》

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