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一希.
「え、あ、ちょっ……泣くなよ、」
『……っ、』
唇をキュッと噛み締めるAの瞳から、大粒の涙が零れていく。
「前はそんなに泣かんかったやんか……」と、今更伝えても仕方のないことを呟くと、Aは首を横に振った。
『……競技で負けても、逆に良い演技が出来ても、涙なんか出やんかった。だって、それが普通やん。プロとして当たり前や、』
「……」
『やけど、一希のことは違う。この前も振られたと思ってめちゃくちゃ泣いてんで？どうしてくれんねん、こんなん私じゃないみたいやんかあ……』
ひっく、と小さい子供みたいにしゃくりあげるA。
『……好きなの、ほんまに。』
「A、」
『一希がそうじゃなくても、私はずっと好き。……これでも昌磨のとこに行けって言うなら、もう行くから』
「A！！」
昌磨くんがいる方へと滑り出そうとするAの腕を掴むと、よろけて俺の方へ倒れてくる。
何やこのデジャヴ……そう思いながらも受け止めると、Aの首に回した腕に、力を込めた。
「……期待しますよ、そんなん」
『したらええやん』
「余裕ないって、もう……」
『いいよ、別に。受け止めてあげる』
「……バカや、Aは。ほんまに、」
『世界一幸せやけど？』
そう言って笑顔で振り向くAに、改めて好きだという気持ちが溢れ出す。
「……俺も好きや、A」
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あお - 26話、「好きやねんやろ」よりも、「好きなんやろ」のほうがよいと思います。途中までしか読んでいないので、楽しんで続きを読ませていただきます (2019年1月5日 20時) (
レス) id: 9b31bd131c (このIDを非表示/違反報告)
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