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一希.
「一希!やっぱり君の音感は素晴らしいね。」
「ありがとう、ミーシャ!」
ニコニコと笑うミーシャとハイタッチを交わす。
世界的にも有名で、誰よりも芸術的な演技をする彼に褒めてもらえたと思うとより一層嬉しい。
……まあ、今は、気持ち的にいっぱいいっぱいであんまり笑われへんのやけど。
「世界選手権も大健闘だったね。彼女の金メダルに刺激されたんじゃない?」
「あ、あー!そう、ですね。Aはほんまに凄くて……」
「普段は笑わないのに、演技に入ると人が変わる……Aのセンスは計り知れないな」
「あの子がオリンピックに出てたら、何もかもかき乱されていただろうね」と笑うミーシャ。
何年も世界で戦っている彼にそう言わせてしまうAの可能性は、一体どれほどなんだろうか……不意に振り返ると、そこにはもう新しいエキシビションを決めたのか、先生の指示に合わせ、ステップを踏み、軽々とジャンプを跳ぶAがいた。
「真央の再来だとか、そんなものじゃない……彼女は「A」という地位を作り上げたんだ。誰の後継者でもない、」
「そうなんですか……」
「まあ、リプニツカヤと近いものを感じることはあるね。」
あ、やっぱりそこはそうなんや。
A関連の記事を読んでいると、必ずと言っていいほど出てくるリプニツカヤさん。
若くしてスケート界から姿を消したけど、似ているAがそうならないよう祈るばかりだ……
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あお - 26話、「好きやねんやろ」よりも、「好きなんやろ」のほうがよいと思います。途中までしか読んでいないので、楽しんで続きを読ませていただきます (2019年1月5日 20時) (レス) id: 9b31bd131c (このIDを非表示/違反報告)
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