4. ページ4
貴方.
「あれ、A、友野くんのジャージやん」
『何か着せられた……自分のあるのに』
「Aのことだとすぐ世話したがるね」
『そうなんかな』
知子と新葉に「結構ぼーっとしてるもん」と声を揃えて言われる。
いや、まあ、分かってるけど。一希だってかなりふわふわしてるけど、その一希に面倒見られてちゃ終わりだ。
『まあいいや。一希のフリー終わったら返しに行ってくる。』
「そんなこと言ってる間に始まるよ!」
新葉に引っ張られて、思わず前のめりになってリンクの中央に立つ一希を見つめる。
大丈夫、そう何度も繰り返す一希だけど、本当に大丈夫だと思う。
ショートも、ミラノの人たちが惹き込まれてしまうような演技だった。一晩で世界中を虜にした一希だから、絶対に大丈夫。
『一希!いけ!!……あ、』
クスクス、と私を笑う声が聞こえた。
あるよね、静まり返った瞬間に声が響いちゃうことって……少し恥ずかしいけど、相変わらず顔が赤くなったりはしない。
「ポーカーフェイスやなあ」
『意識してないんやけど』
「してたら凄いよ」
51人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あお - 26話、「好きやねんやろ」よりも、「好きなんやろ」のほうがよいと思います。途中までしか読んでいないので、楽しんで続きを読ませていただきます (2019年1月5日 20時) (レス) id: 9b31bd131c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ