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一希.
「あ、A」
『一希』
「もう大丈夫?」
『熱なかったから平気』
Aは右手でオッケーサインを作って俺に見せる。
何気ない仕草が可愛くて、無表情でも笑わなくても泣かなくても、俺にとっては一番大切な女の子やなあって……
ん??どうした俺、めっちゃ素直やん。
『明日エキシビションやねんけど、終わったらバンケットやんな』
「そうそう。A、服新しくしたんやろ?お母さん言ってたで」
『またいらんこと言って……』
「楽しみにしてる」
「絶対可愛いやろなあ〜」と特に意識せずに呟くと、Aがピタリと足を止めた。
え、また体調悪いん……?!
心配になって顔を覗き込むと、Aの顔はさっきと同じくらい赤くなっていた。
「A……もしかして照れてる?」
『っ、!!う、うるさい』
「え、俺に可愛いって言われたから照れてるん?!めっちゃ可愛いやん」
『からかわんとって!』
Aは口を一文字に結び、「一希のバカ!」と俺を見上げた。
……いや、目でか。
ここから見たらめっちゃ肩幅とかも狭いし、女の子やから当たり前かもやけど華奢すぎる。
身長やってそんなに変わらんはずやのに……凄く小さく思えてしまう。
Aって、こんなに可愛かったっけ?
『……一希も顔真っ赤やけど?』
「うるさい。ちょっと頭パンクしそうやからもう寝る」
『ずっる。自分だけ逃げるんや!』
「逃げてへんわ!Aもはよ寝ろよ!おやすみ!」
これ以上一緒におったら、変になってまう……
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あお - 26話、「好きやねんやろ」よりも、「好きなんやろ」のほうがよいと思います。途中までしか読んでいないので、楽しんで続きを読ませていただきます (2019年1月5日 20時) (レス) id: 9b31bd131c (このIDを非表示/違反報告)
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