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貴方.
「改めて、今のお気持ちをどうぞ!」
「オリンピック代表を逃して、悲願のワールド金メダル!お気持ちはいかがですか?」
「氷川選手!今の気持ちを誰に伝えたいですか?」
『……えっと、』
ちょ、ちょっとだけ待ってほしい。
数分前、最終グループの一番最後という、人によってはやりづらい順番でフリーを終えた。
先生にも「よくやった」と褒められたので、そこそこの点数は期待できるだろう。そう思って点数発表を待ったのだけれど……
画面に表示されたのは、暫定一位だった選手を大きく上回る点数。おまけにシーズンベスト。多分三度見はした。
『……実感が湧いてなくて、すみません。でも嬉しいです』
「いつも通りのクールな氷川選手ですが……数時間後にフリーを控える男子選手たちにコメントはありますか?」
『皆らしくやったら大丈夫だと思うので頑張ってほしいです』
今はとにかく、一人にしてほしい。
そう思っていつも通り淡々とインタビューを受け流していると、アナウンサーの方も気が付いたのか「ありがとうございました!」と私を解放してくれた。
高橋さんも「おめでとう」と手短にインタビューを終えてくれた。
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あお - 26話、「好きやねんやろ」よりも、「好きなんやろ」のほうがよいと思います。途中までしか読んでいないので、楽しんで続きを読ませていただきます (2019年1月5日 20時) (レス) id: 9b31bd131c (このIDを非表示/違反報告)
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