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57. ページ7

貴方.



『み、三橋さん……!』




ヘルメット男に蹴りを入れた三橋さんは、いつものふざけた表情とは打って変わって、真剣な瞳であいつを睨みつけた。




「おい。俺の女に手出してんじゃねえぞ」

『っえ……!』

「A。よくやったな、お前にしては上出来だ」

『あ、ありがとうございます……』




三橋さんは、「そこで座っとけ」と私に背中を向け、ヘルメット男に殴りかかる。もちろん、鉄パイプで。

いつもより多めに殴る彼に、怒ってるのかな、なんて怖くなったけど……色んな人の分をやり返しているだけなんだろう。




「お前な、ウチの頭を倒してえなんて言ってたけどよ、女相手にバットと刃物出しやがって、そんな奴が頭張れると思ってんじゃねえぞ!」

「う、うるせえな!!」

「二度とこいつに手出せねえようにしてやるよ!」




三橋さんは、ヘルメット男が伸びるまで殴り続け、最後はあいつのヘルメットの中に唐辛子を入れ、ガムテープで蓋をした。……恐ろしい。




「……帰んぞ、A」

『は、はいっ!』

「ん、」




三橋さんが差し出してくれた手を握って立ち上がると、彼の後ろを着いて歩く。




『あ、あの、……俺の女って』

「あ?んなこと言ってねえよ。空耳だ」

『空耳?!めちゃくちゃハッキリ聞こえました!』

「んじゃあれだ。三橋さんのことが大好きすぎて幻聴でも聞こえたんじゃねえか?」




あれは絶対に聞き間違えなんかじゃない。でも……あながち間違いじゃないかもしれないから、ふっと笑ってしまう。




『……そうですね、私、三橋さんのこと大好きですから』

「ンだよ、やけに素直だな。何か企んでんじゃ……」

『違います。好きです、三橋さん。』

「……は?」

『俺の女、って、これからも言ってもらえないですかね』




かあっと赤くなってしまう三橋さん。
「お前、そういうのは普通男から……」と口をパクパクさせる。……期待しちゃってもいいですか?




『そうは言いますけど、三橋さん、いつまで経っても言ってくれないから我慢できなくて。ねえ、どうなんですか。』

「っ、何だよお前!ほんとに!可愛くねえ!」




頰に大きな手を添えられて、ピリッとした痛みが走る。驚いてよろめくと、彼の顔が一瞬にして変わる。




「……わさびも入れてやればよかったな」

『え?』

「何でもねえよ。……責任持って、俺がもらってやる」




三橋さん、そういうところですよ。

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麻衣(プロフ) - 伊藤落ちがいいです! (2021年5月24日 6時) (レス) id: d944f1cd48 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 - んきゃああああああああああああ///な、何ですか俺の女になれって!最高すぎますよ///これからもがんばって下さいっ(*/^^*/) (2018年12月24日 15時) (レス) id: fa2d4be8dc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:星原 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年12月19日 18時

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