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貴方.
『あ、三橋さん、伊藤さん!』
「……お、Aじゃねえか。理子も。何してんだよ」
『いや、それはこっちのセリフですけど。何をしれっと捕まってるんですか』
「それが俺たちも分かんないんだよね」
「泥棒に仕立て上げられちまったんだ」と不機嫌そうに頬杖をつく三橋さんに、「さっさと吐け」と詰め寄るお巡りさん。
……あー、何となく分かった。さっきの奴らは、二人をはめるためにやってたのか。
「お巡りさん。本当の犯人はこっちです。」
「えっ……?!」
「まあね、俺がね、チョチョイのチョイでね。簡単にシメたからね」
「その割にやられてるじゃーん……」
痛々しいパパさんを見て顔を顰める三橋さん。
まあ、あのときのやられっぷりと言ったらもう……本当に武道家だったのか、なんて、失礼なことが頭を過ぎったくらい。
金髪の方が「こいつ、強い」と理子さんを指差すと、「理子がやったのね」と三橋さんも苦い顔をした。
「真犯人も見つかったことだし、この二人、帰ってもいいですよね?」
「……ああ、」
決まりが悪そうに視線を逸らすお巡りさん達に、チッと舌打ちを鳴らして席を立つ三橋さん。
慌てて駆け寄ると、三橋さんは私を見て、「お前は怪我してねえな?」と頰に触れた。
いきなりのことに驚いてよろめくと、「何してんだ」と腕を掴まれる。
『し、心臓に悪い……』
「あ?何がだよ。ほら、早く帰るぞ」
『あっ、ちょ、待ってくださいよ!』
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麻衣(プロフ) - 伊藤落ちがいいです! (2021年5月24日 6時) (レス) id: d944f1cd48 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 - んきゃああああああああああああ///な、何ですか俺の女になれって!最高すぎますよ///これからもがんばって下さいっ(*/^^*/) (2018年12月24日 15時) (レス) id: fa2d4be8dc (このIDを非表示/違反報告)
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