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伊藤.
『伊藤さん、大丈夫ですか?もっと体重かけていいですよ』
そう言って肩を貸してくれるAちゃん。
俺よりかなり小さいからそこまで力はないはずなのに、どうしてもって言うことを聞いてくれない。
ちょっとだけ寄りかかって、「大分楽になったから」と伝えれば、ほんの少しだけ、安心したような顔をする。
『これで懲りてくれたらいいんですけど……』
「しつこい奴だったら嫌だな。……まあ、またやられそうになったら俺のこと呼んでよ。いつでも助けに行くから」
『……はい!』
ふわ、と柔らかく笑ってくれる。
……そんなAちゃんが、俺はやっぱり好きで。好きだから、幸せになってほしいし、俺が幸せにできたらいいなとも思っていた。
だからこそ、こんな風に彼氏としてAちゃんの隣にいられるのが、凄く嬉しくて……でも、違うだろ。そろそろ気付けよ、俺。
「……ねえ、Aちゃん」
『?どうかしましたか??』
「俺さ、Aちゃんのこと、本当に好きだし、大切にしたいと思ってる」
頰を赤くして、俺を見上げるAちゃん。自分の違和感なんて、気付かないふりをすればいいのかもしれない。でも……彼女の本当の幸せを願うなら、これは間違ってるから。
「だから……こんなこと、言いたくないけど、」
『伊藤さん?』
「……付き合うの、やめよう」
三橋、お前は素直になってくれるのか?……もしも、俺が彼女から手を引いたら。
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麻衣(プロフ) - 伊藤落ちがいいです! (2021年5月24日 6時) (レス) id: d944f1cd48 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 - んきゃああああああああああああ///な、何ですか俺の女になれって!最高すぎますよ///これからもがんばって下さいっ(*/^^*/) (2018年12月24日 15時) (レス) id: fa2d4be8dc (このIDを非表示/違反報告)
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