検索窓
今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:59,249 hit

23. ページ23

貴方.



「俺、寒いの嫌なんだけど」




一希くんの隣からひょこっと顔を出した昌磨は、意地悪な笑みを浮かべた。
「これくらい我慢しましょうよ」と笑った一希くんにつられて、私まで笑ってしまった。




「そうだ。友野くん、ちょっとAのこと借りるね」

「了解です!」

『あ、ちょっと、待って……』




先に歩いて行ってしまう昌磨に追いつくために、と歩くスピードを速くすると、少し視界が歪んだ。
今日は調子いいと思ったんだけどな……やっぱり、まだ無理したらダメだよね。

何となく足が動かなくてもたついていると、そんな私を見兼ねた昌磨が「大丈夫?」と手を差し出してくれた。




『あ、ありがとう……ごめんなさい、ちょっと体調悪くて、』

「……もしかして、それがスケートをやめたことと関係してる?」




昌磨は、ふわふわしているように見えて、実は鋭い。肯定の意味を込めて静かに頷くと、「そっか」と何とも言えない声色でそう呟いた。




『私、元々身体が強くなくて……だから、スケートを続けるのは良くないって言われて、やめたんだ。自分で言うのは違うけど、続けてたら昌磨と同じ大会とか、出てたと思う』




今から話すこと、昌磨はどんな想いで聞いてくれるんだろうか。

24.→←22.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (33 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
97人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

星原(プロフ) - ななさん» 返信遅くなってしまい申し訳ないです( ; ; )今後ともよろしくお願いします! (2018年11月14日 18時) (レス) id: 7b61f158ca (このIDを非表示/違反報告)
なな - 続きが楽しみです。更新お待ちしております(^-^) (2018年10月16日 13時) (レス) id: 240f4ab893 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:星原 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年10月14日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。