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貴方.
「俺、寒いの嫌なんだけど」
一希くんの隣からひょこっと顔を出した昌磨は、意地悪な笑みを浮かべた。
「これくらい我慢しましょうよ」と笑った一希くんにつられて、私まで笑ってしまった。
「そうだ。友野くん、ちょっとAのこと借りるね」
「了解です!」
『あ、ちょっと、待って……』
先に歩いて行ってしまう昌磨に追いつくために、と歩くスピードを速くすると、少し視界が歪んだ。
今日は調子いいと思ったんだけどな……やっぱり、まだ無理したらダメだよね。
何となく足が動かなくてもたついていると、そんな私を見兼ねた昌磨が「大丈夫?」と手を差し出してくれた。
『あ、ありがとう……ごめんなさい、ちょっと体調悪くて、』
「……もしかして、それがスケートをやめたことと関係してる?」
昌磨は、ふわふわしているように見えて、実は鋭い。肯定の意味を込めて静かに頷くと、「そっか」と何とも言えない声色でそう呟いた。
『私、元々身体が強くなくて……だから、スケートを続けるのは良くないって言われて、やめたんだ。自分で言うのは違うけど、続けてたら昌磨と同じ大会とか、出てたと思う』
今から話すこと、昌磨はどんな想いで聞いてくれるんだろうか。
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星原(プロフ) - ななさん» 返信遅くなってしまい申し訳ないです( ; ; )今後ともよろしくお願いします! (2018年11月14日 18時) (レス) id: 7b61f158ca (このIDを非表示/違反報告)
なな - 続きが楽しみです。更新お待ちしております(^-^) (2018年10月16日 13時) (レス) id: 240f4ab893 (このIDを非表示/違反報告)
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