思い出の絵本 ページ10
ASide
昨日商店街で買ってきたプリンを食べながら私は目の前で同じプリンを頬張る二匹を見つめる。
二匹ともプリンに気を取られて全く気がついていない。それどころか口に詰めすぎて頬を膨らんでいるのが可愛い。
「─────リン、リオ。そろそろ新しい絵本買いに行く？」
私が言うと二匹は私を見上げて不思議そうな顔をする。
私の本棚の一角は既に絵本がたくさん置いてある。それは私が学校帰りに買ってきたものだったり、お父さんが貰ってきたものだったり、お母さんが買い物ついでに買ってきたものだったりと様々でどれもこれも二匹のお気に入りの絵本だ。
「ほら、昨日商店街行ったでしょ？そこの一角にね、優しいお爺さんがやってる本屋さんがあるの。そこだったら見たことがある人も居ると思うし、人間もあんまりいないだろうから」
私の話を聞いていたリンは不安そうに尻尾を振る。
「好きな絵本もあると思うから、行ってみよう？」
「わかった。行こう？リンの事は僕が守るから」
あ〜！リオはリンに対してだけ優しい！
私は内心は悶えながら何でもないように振る舞った。
〜in本屋〜
「─────いらっしゃい」
「おじちゃん！こんにちは」
「お〜、Aちゃんか！その肩に乗ってるのが話してた子かい？」
「うん、こっちがリンでこっちがリオ」
「聞いてた通り、両方可愛いねぇ？」
「でしょ？─────あれ、この絵本…………」
私は二人が絵本を見ている間に懐かしい絵本を見つけて手に取る。
クリーム色の背景にお姫様と小人と沢山の花が描かれたよくある絵本。その絵本は私が小さい頃に好きでお父さんに泣きながらねだって買ってもらった絵本。もう、内容は思い出せないけど懐かしい。
「──────小人は言いました。お姫様には涙よりも、お花が似合うよ。と……………」
「A！決めた！」
私は読んでいた絵本を棚に閉まって二匹が持ってきた絵本を見る。それはさっきまで私が見ていた絵本だった。
「────その絵本…………」
「Aがこの絵本、見てたから…………」
「僕達にこの絵本読んでよ」
私はその絵本を二匹から受け取り、頭を撫でる。
「皆で読もうか？」
私の言葉に二匹は心底嬉しそうに笑った。
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まる - 作品を作る前にルールをしっかりご確認下さい。オリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2018年10月29日 23時) (
レス) id: 403bff38f1 (このIDを非表示/違反報告)
天海奏(プロフ) - 耕さん» ありがとうございます！ ご期待に添えるかはわかりませんが頑張ります！ (2018年10月28日 11時) (レス) id: 359d526c7e (このIDを非表示/違反報告)
耕 - とても面白いです！ 続きが気になります！ 更新頑張って下さい！ (2018年10月28日 11時) (レス) id: 4345401185 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：秦夜 | 作成日時：2018年10月27日 8時
