勉強会 ページ7
ASide
リンとリオを引き取ってから速くも一週間がたった。
リオは大分怪我も良くなり、今となっては一緒にご飯を食べるために移動できるぐらいにはなった。
まだ恐怖が抜けることは無く、触れられることは嫌がられる。
──────そろそろ時間かな
二匹は昨日本屋で私が買ってきた子供用の絵本がお気に入りのようで、同じ本を何度も何度も読み直している。リンは素直に笑顔で見ているがリオは顔に出さないだけでしっぽを嬉しそうに振っている
────写真撮りたい！
ちょっと前までは一のぬこの話を聞いていて大袈裟なとか思ってたけど、今なら気持ちがわかる。
「A〜！明日可君と一君が来たわよ！」
「はいはーい」
「よっ！」
「待ってたよー、リンとリオ居るけど部屋に居てよ今飲み物とか持ってくるから」
「お菓子は買ってきたから」
「ありがとう〜！」
私は一と明日可と入れ違いでジュースを取りに台所に行く。
リンとリオも飲むかな？
ペットボトルのオレンジジュースとリンとリオ用のコップと普通のコップを三つ持って部屋に戻る。
「さてさて、それじゃテスト対策するか！」
「マジでやるのかよ〜」
「何のためにここに来たと思ってるの」
「私達、もしかして邪魔かな？」
教科書とノートを簡易テーブルに広げた私達に気づいてリンが不安そうに聞いてくる。
「そこに居ても良いよ」
「本当？」
「うん、あぁ、ジュース飲む？」
私が聞くと二匹は顔を輝かせる。
二匹とも時間が経つに連れてだんだんと表情が豊かになってきて可愛い。
「─────はい」
「あっ、ありがと」
「ありがとう」
リオはそっけなくお礼を言って受けとるけど尻尾はかなり正直だ。
リンも少しずつ笑えるようになってきて居る。それが私には嬉しい事だ。
「どういましまして」
「あっ、これ叔父さんからでぬこ達でも食べやすいようにしたクッキー何だけど」
一は持ってきていた鞄からクッキーが数枚入った袋を取りだし、リオに渡す。
「口に合うかはわからないけど」
「俺達のはこっち！」
「さすが匠さん！わかってんじゃん！」
私は指を鳴らして言う。
テスト勉強は予想通り、全く進まず、明日可だけが赤点という結果に終わった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 33人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まる - 作品を作る前にルールをしっかりご確認下さい。オリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2018年10月29日 23時) (
レス) id: 403bff38f1 (このIDを非表示/違反報告)
天海奏(プロフ) - 耕さん» ありがとうございます！ ご期待に添えるかはわかりませんが頑張ります！ (2018年10月28日 11時) (レス) id: 359d526c7e (このIDを非表示/違反報告)
耕 - とても面白いです！ 続きが気になります！ 更新頑張って下さい！ (2018年10月28日 11時) (レス) id: 4345401185 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：秦夜 | 作成日時：2018年10月27日 8時
