みかん ページ19
ASide。
「もう俺はダメかもしれない…………………」
「明日可………………」
「諦めないで!明日可くん!」
「────────明日可…………」
部屋の空気は完全にお葬式状態。私の同情めいた声にリンの応援してる声、もう手遅れだと言わんばかりの一の声。
「────────明日可、来るべき時が来たんだよ」
「もう手遅れだ」
私と一は明日可の肩に手をかけて言う。
「いや、宿題やってなかっただけだろ」
「───────はい、明日可それ出来たらこっちにもあるから」
リオの最もな言葉に一は持っていたプリントを明日可に渡す。
これが繰り広げられているのは勿論私の部屋。今回もやはり宿題を今まで一切やらなかった明日可のために私の部屋で皆で勉強していた。明日可の家はお正月休みという事もあり兄弟が帰ってきているらしく、一の家はただいま理事長が仕事に追われているとかパーティーがどうとか言ってて一が荒んでた。かと言って勿論学校も図書館も開いていない。そうなれば多少人の出入りはあるがうちでやろうとなった次第でして。はい。
「A頑張ってる?ココアを容れたのよ」
「あっ、お母さんありがとう」
「ありがとうございます」
「いえいえ。頑張ってねぇ」
お母さんが持ってきてくれた人数分のココア。自分の分に口を付ければ丁度いい温かさと甘さが口の中に広がる。
「あっ、お母さんみかんも持ってきてくれたみたいだね。こっちの分解してあるのは──────」
私は私の机の上で絵本を読んでいるリンとリオの所に分解されてお皿に入れられたみかんとココアを持っていく。
「わぁ!みかんだ」
「ありがとう、」
「すげぇ解体してある」
「ん?あぁ、ぬことかいぬこだとみかん一粒が多くてベタベタになっちゃうからお母さんが全部解体してくれるんだよね」
「確かにサイズ感がな」
「でしょ?」
この後宿題が終わる頃には夕方になっていた。
作者から
あけましておめでとうございます!今年もよろしくお願いします!!!
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まる - 作品を作る前にルールをしっかりご確認下さい。オリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2018年10月29日 23時) (レス) id: 403bff38f1 (このIDを非表示/違反報告)
天海奏(プロフ) - 耕さん» ありがとうございます! ご期待に添えるかはわかりませんが頑張ります! (2018年10月28日 11時) (レス) id: 359d526c7e (このIDを非表示/違反報告)
耕 - とても面白いです! 続きが気になります! 更新頑張って下さい! (2018年10月28日 11時) (レス) id: 4345401185 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:秦夜 | 作成日時:2018年10月27日 8時