番外編《初めてのクリスマス》〜準備編 ページ17
ASide。
「──────今日が最終日……………」
私は本屋さんでため息混じりに呟く。
「なんでこんなに見つからないのぉ!?」
今月の頭から私はある絵本を探していた。
特に珍しい絵本でもなければ、人気がある絵本でもない。
にも関わらず見つからない。リンとリオにバレないように生徒会の仕事を昼休みに終わらせ、学校が終わるとすぐに本屋さんを巡って、いつもと同じ時間に帰る。
「そんなに珍しい絵本じゃないのに……………」
その絵本は少し前にテレビで紹介されていたもので、リンもリオも興味があるものらしい。
物語自体はありきたりなお姫様と王子様の物語。ただ、この絵本に登場する人達は皆ぬこやいぬこだという事らしい。
「白宮?」
「へ?」
どうしようかと店を出た所で聞き覚えのある声に名前を呼ばれて振り向く。
そこに居たのはスーツの上からコートを着た明らかに学校帰りの岸本先生だった。
「岸本先生!」
「奇遇だな。ここで何をしていたんだ?」
「あー、絵本探しです。先生は知りませんか?ぬこといぬこが登場人物の絵本」
「前にテレビで紹介してたやつか?」
「多分それであってると思います。中々見つからなくて……………」
私が苦笑混じりに言うと岸本先生は少し考え込んでから何かをおもいだしたように携帯を取り出し、連絡をしたかと思うと少し会話をしてからこっちを見る。
「白宮は明日学校に来るか?」
「え?はい。一応明日も生徒会の仕事があるので…………………」
「ならちょうどいい。言っていた絵本がある所を知っているから明日にでも学校で渡そう」
「本当ですか!?ありがとうございます!!」
良かったぁ!これでリンとリオにちゃんとしたクリスマスをしてあげられる………………!!
私は時間も時間だったこともあり、岸本先生にお礼を言って急いで家まで帰った。
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まる - 作品を作る前にルールをしっかりご確認下さい。オリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2018年10月29日 23時) (レス) id: 403bff38f1 (このIDを非表示/違反報告)
天海奏(プロフ) - 耕さん» ありがとうございます! ご期待に添えるかはわかりませんが頑張ります! (2018年10月28日 11時) (レス) id: 359d526c7e (このIDを非表示/違反報告)
耕 - とても面白いです! 続きが気になります! 更新頑張って下さい! (2018年10月28日 11時) (レス) id: 4345401185 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:秦夜 | 作成日時:2018年10月27日 8時