【約ネバ】演技の上手な女の子 (ページ2)

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1話ページ2

母と慕う彼女は親ではない。

共に暮らす彼らは兄弟ではない。

ここグレイス=フィールドハウスは孤児院で

｢A──｣

私は孤児。

『今行くー！』

そう思っていた。

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ぴったり6時。

施設(ハウス)の朝は鐘の音で始まる。

カランカランと鳴る鐘の音は聞き慣れた。

だって…

エマ｢みんな起きてー！朝ごはん遅れるよー！｣

施設(こ)の暮らしも10年だから。

貴『おはようエマ！』

エマ｢おはようA！｣

エマとはとても仲が良い。

仲が良いのはあと2人いるけど、後で紹介するね！

トーマ｢待て待てーい！｣

ラニオン｢待た〰ん！｣

ギルダ｢コラ！遊んでないで支度しな！｣

ドタドタと音を立て追いかけっこをするトーマとラニオンをメガネをしながらギルダが叱る。

貴『ギルダおはよう！
トーマ、ラニオンもおはよう！
走ると危ないから止めて、支度しよっか！』

トーマ､ラニオン｢｢はーい！｣｣

トーマとラニオンは手を挙げて支度をし始めた。

ギルダ｢むぅ…Aの言う事は聞くのね…。｣

頬を膨らませるギルダの頭を撫でる。

貴『いつもギルダが注意してくれてるおかげで少し支度は早くなったんだよ、あの二人！いつもありがとね！』

ギルダ｢A…！｣

笑顔になるギルダはホント可愛い。

マーニャ｢エマ、くつはけない〰〰！｣

フィル｢A、ひもむすべないー！｣

エマ｢今行くー泣かないで。｣

エマは寝ぼけてるロッシーに服を着せていると、マーニャとフィルは靴が履けず泣き出してしまう。

貴『エマ、こっちは任せて！
あ、そこ気をつけてよー！笑ってないで手伝ってあげな！』

そしてその後ろで服を上手に脱げず苦戦してる子に、それを見て笑ってる子。

危ないったらありゃしない…。

貴『よし、マーニャ靴履けたね！フィルも紐結べた！』

マーニャ､フィル｢｢ありがとうA！｣｣

貴『いーえ！』

私の兄弟はしっかりとお礼が言える優しい子たちばかり。

毎朝、この子達にこう言うの。

貴『おはよう！私の可愛い妹と弟たち！』

｢｢おはよう！｣｣

これが、私たちの日常。