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次の日は朝から大変だった。
煉獄様と極力目を合わさないようにと必死だった。
目を合わせてしまえば、動揺しているのが知られてしまいそうで。
私がその簪の持ち主だと申し出ればいいのかもしれないけれど、夢を懐かしむようなあの瞳に私が現れてしまうのが怖かった。
なぜ怖いのか、と聞かれればわからない。
何が怖いのかも、正直わからない。
ただ漠然と、“宿主” という立場から “初恋の相手” に変化してしまうのが何とも言えず苦しかった。
杏「A!今日、俺に客人が来るらしい!構わないだろうか?」
「構いません、鬼殺隊の方ですか?」
決して目を見ないように、けれど失礼のないようにと鼻先を見つめて応答する。
彼はその多少の違和感に気付いているようだけれど、触れては来なかった。
杏「そうだ!元継子で、今や柱にまで登り詰めている!」
「甘露寺蜜璃様ですね」
杏「よく知っているな!」
「柱の方々は全員お名前を把握しております。お館様のように、隊士の方全員とまでは及びませんが。」
髪を耳に掛けようと伸ばした私の手を握り、
彼のもう片方の手でそっと触れた。
ドキっとして彼の目を見ると、どこか寂しそうにふわりと笑う。
杏「ようやくこちらを見てくれたな」
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まゆ(プロフ) - うわぁん〜・゜・(つД`)・゜・涙が止まらないです〜!!心臓がキューってなります!煉獄さんと夢主さん幸せになりますように!これからも更新楽しみにしてます!お待ちしております!(^-^)/ (2021年9月23日 23時) (レス) @page32 id: d503357f65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おつき。 | 作成日時:2021年6月2日 21時