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杏「もっとも、彼女の方は俺のことなんて忘れて今頃どこかで笑って──」
「覚えていますよ」
杏「む?」
「‥あっ、いや!その、きっとその女の子も‥‥貴方のことを覚えています」
杏「そうだろうか?」
「し、仕事がありますので失礼致します!おやすみなさいませ」
逃げるように食器を抱えて部屋を飛び出す。
あの場にいられなかった。空気に飲まれてしまいそうで。
どくん、どくん、と今までないくらいに大きく脈打つ心臓を抑えてうずくまる。
すっかり忘れ去られていた記憶が、
頭の隅の隅にうっすら消えかかっていた記憶が、
ぼんやりとその形を取り戻していく。
「そんなの、聞いてないよ…」
愛おしそうに簪を見つめる彼の瞳が脳裏に焼き付いて離れない。
── 杏「俺の初恋の人だ」
「私だって…」
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まゆ(プロフ) - うわぁん〜・゜・(つД`)・゜・涙が止まらないです〜!!心臓がキューってなります!煉獄さんと夢主さん幸せになりますように!これからも更新楽しみにしてます!お待ちしております!(^-^)/ (2021年9月23日 23時) (レス) @page32 id: d503357f65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おつき。 | 作成日時:2021年6月2日 21時