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蟲柱様がお帰りになった後、煉獄様のところへ戻ると先ほどより安らかな寝顔で眠っていた。
蟲柱様が打ってくれた治療薬が効いてきたのだろう。
「ひどい汗と熱…」
彼の表情にあどけなさが残っているのを見て、彼が私と一つしか年も変わらないことを思い出す。
いつも人々を救うために奮闘する煉獄様をはじめとした鬼殺隊の方々。
私はその方たちのサポート役として存在している。
なのに私は、それを果たせている自信がない。
煉獄様の汗を冷やした布でふき取りながら、痛む胸を押さえた。
どうか早く目を覚ましてほしい。私はあなたを死なせるわけにはいかない。
神に祈ったと同時、煉獄様の眉がピクリと動いた。
「煉獄様!?」
杏「ん…A…?」
「煉獄様、聞こえますか?」
杏「ああ、聞こえるぞ、Aの愛らしい声が…」
この人は本当に…
こういう時にまでなぜそんなことを言うのか。
理解できない気持ちを抱きながらも、頬に涙が伝う。
よかった、この人が目を覚まして。
杏「すまない…」
絞り出すような声でなぜか唐突に謝罪する彼を見て首をかしげる。
今謝られるようなことはなかったはず。
杏「君の料理を無駄にしてしまった」
「え…そんなの、気にしないでください」
杏「君が俺のために作ってくれたものなのに、不甲斐ない」
眉が下がって本当に申し訳なさそうに視線を逸らす煉獄様。
自分の辛いときにまで、私なんかのこと気に掛ける必要ないのに。
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まゆ(プロフ) - うわぁん〜・゜・(つД`)・゜・涙が止まらないです〜!!心臓がキューってなります!煉獄さんと夢主さん幸せになりますように!これからも更新楽しみにしてます!お待ちしております!(^-^)/ (2021年9月23日 23時) (レス) @page32 id: d503357f65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おつき。 | 作成日時:2021年6月2日 21時