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第6話「鬼」 ページ7

鬼無辻さんは全て教えてくれた。

鬼殺隊という非政府組織がいると。
その鬼殺隊は鬼を抹殺する目的でいるらしい。
その鬼殺隊へ探りを入れて欲しい、そう言われた。



「どうしてそんな任を私に…」



ましては一般人。
私にできることはきっと限られているのに。
それなのに鬼無辻さんは私を選んでくれた。
7年も時を待ってくれた。



「お前は美しい。
鬼の大好物である稀血のお前を鬼殺隊も、
鬼も放っておくわけはない」



私の頬に手を添えて妖艶に微笑む。
その姿に私はなんだか心が暖かくなる。
私に必要価値を与えてくれる人。
やっぱりあの日、私はこの人に…



「随時報告するように。
お前には期待してるよ」

「…はい」



まるで幻術だ。
この人の声には私を突き動かすかのように、
何やら声に作用があるように思える。

気づけば二言で私は頷いていた。



「鳴女、鬼と鬼殺隊が近くにいる場所へ飛ばせ」

「はい無惨様」



鳴女と呼ばれた女性はベンッと琵琶の音を鳴らす。
その瞬間また景色は変わり、街へ飛ばされたようだ。
そこにはもう鬼無辻さんはいない。


私のするべきこと。
鬼殺隊という組織に潜り込んで探ること。
見世物小屋にいるよりマシだ。
座ってなにもしない毎日より、
こういう刺激的な毎日の方が私らしい。

この見た目のせいで今までずっと本当の自分を隠してきた。
でも鬼無辻さんはそんな私を受け入れてくれた気がする。
私は、この人の下で働けて良かった。


私は飛ばされた街を歩く。
もう夜で街灯がちらほら見える。
なんだか不気味な街灯。

私は道の角を曲がった。
すると足元にピチャリと水たまりのような感覚がはしった。
私は足元を不意に見た。

そこには、



「…血?」



血が流れ血溜まりを作っていた。
私はそれを見て向こう側を見た。
そこには誰かがいた。

私は恐れることもなくその人物に近づいた。
噎せ返るような濃い血の匂い。
ぐちゃぐちゃと肉を貪る音。



「…鬼」



鬼の姿が、そこにはいた。

第7話「獅子」→←第5話「琵琶の音」



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Karen1213(プロフ) - すっごく面白いです!もっと鬼舞辻無惨との絡みがみたいです!!更新楽しみにしてます! (2019年6月30日 14時) (レス) id: 23cf084fd5 (このIDを非表示/違反報告)
勿忘草(プロフ) - ナ子。さん» ありがとうございます!これからも頑張ります! (2019年5月14日 20時) (レス) id: 855de7cb2f (このIDを非表示/違反報告)
ナ子。(プロフ) - 読ませていただきました。面白い設定なので面白く読ませていただきました('ω') (2019年5月14日 18時) (レス) id: 848e96a0c3 (このIDを非表示/違反報告)
勿忘草(プロフ) - Airさん» ありがとうございます!そう言ってもらえると嬉しいです! (2019年5月13日 19時) (レス) id: 855de7cb2f (このIDを非表示/違反報告)
勿忘草(プロフ) - もうふさん» ありがとうございます!更新頑張ります! (2019年5月13日 19時) (レス) id: 855de7cb2f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:勿忘草 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年5月12日 9時

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