悪あがき(鉢屋三郎) ページ28
三「私と付き合って欲しい」
『…ごめん、私他に好きな人いる』
目の前にいる女はくノ一教室に所属している
同学年のAA。
くノ一教室でも1、2を争うほど幼さが目立つやつだ。
顔が童顔なのと身長が低いのが原因だと思う。
今はこのAに振られたところだ。
三「あぁ、知ってる。お前が誰を好きなのかも」
『…じゃあ…なんで告白したの……?』
三「そのまま失恋するより、振られた方がマシだろ」
こう強がっているが、本当はやっぱり辛いものがある。
しかも、こいつの好きな相手は…俺の相棒でもあり
同室だし…。
俺は泣きそうになるのを堪えて聞く。
三「雷蔵となにか進展はあったか?」
『…別に。だって鉢屋がいつもいるし』
三「いくら相棒でも易々と好きな人渡そうとは
思わないだろ」
前から雷蔵が好きなんだってことは薄々気づいていた。
だからあえていつも雷蔵といるようにした。
…誰だって好きな人は取られたくないよな。
幸いにもこいつは人見知りな性格をしている。
そのため雷蔵は未だAの気持ちに気づいていない。
『だからって…!』
三「お前ももう少し頑張れよ」
『これでも頑張ってる…』
そういうとこいつは頬を微かに膨らまして
拗ねたような表情を見せる。
無自覚なんだろうが、その顔が余計に俺を
悲しくさせる。
三「じゃあさ、俺で練習しろよ」
『…?』
三「俺はいつも雷蔵の顔借りてるし、
どこかに誘いたい時とか俺で練習してから
行けばいいんじゃないか?」
振られに来たつもりなのに、往生際が悪いよな。
そんなことわかってる。
『……どーしても緊張する時は…お願いするかも』
心の中でほくそ笑む。
最後の悪あがきだ。
この機関の間のうちに、Aを俺のものにしてやる。
┈┈┈┈┈
今回のテーマは悲恋&横取りです。
三郎だったらしそうだなと思い、描きました。
次回の作者風メインは1年生の乱太郎です!
久しぶりのメインですかね…?
次回をお楽しみに!
13人がお気に入り
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こたつ猫(プロフ) - ポチさん» 紅葉の短編集の方では話数的に書けないので続編の青空短編集の方ではリクエストできます (1月12日 18時) (レス) id: 83e653d56b (このIDを非表示/違反報告)
ポチ - リクエスト出来ますか? (1月12日 15時) (レス) id: 07a8a54005 (このIDを非表示/違反報告)
こたつ猫(プロフ) - ユリリンさん» ありがとうございます! (1月6日 9時) (レス) id: 83e653d56b (このIDを非表示/違反報告)
ユリリン(プロフ) - おはようございます。ホッペスリスリの話読みまし 1年生達皆可愛いですよね。凄く面白いです。次回作も楽しみにしています。 (1月6日 7時) (レス) id: 6ebc36a5f7 (このIDを非表示/違反報告)
こたつ猫(プロフ) - まりまりまりおさん» ありがとうございます!兄弟の構成はなんとなくのイメージで決めたのでもしイメージと違ったらすみません…! (1月4日 19時) (レス) @page45 id: 83e653d56b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こたつ猫 | 作成日時:2023年9月26日 20時